凸版印刷 デジタルコンテンツの体験型鑑賞支援システム開発

凸版印刷株式会社(東京都千代田区、金子眞吾社長)は、ブック型コントローラで、本のようにめくり触れながらデジタルコンテンツを楽しめる体験型鑑賞支援システム「FLIPPIN’(フリッピ ン)」を開発した。「FLIPPIN’」は、グランフロント大阪北館ナレッジキャピタル「The Lab.みんなで世界一研究所」2階において、実証実験として4月15日から9月30日まで設置する予定。実証実験
では「FLIPPIN’」と連動するデジタルコンテンツ『Flip and Touch the 北斎漫画』とともに展示する。2017年度中に美術館や博物館向けの鑑賞支援システムとして実用化を目指す。
 「FLIPPIN’」は、プリンテッドエレクトロニクスを応用したブック型のコントローラと、それに連動する大型ディスプレイで構成した新しい体験型鑑賞支援システム。ブック型コントローラには、導電性インクを活用した接触センサーが組み込まれており、めくったり触れたりすることに連動して、大型ディスプレイに表示されたデジタルコンテンツを操作できる。本と同じように、印刷された内容を楽しみながら、ディスプレイ上の画像や動画をインタラクティブに鑑賞することで、利用者への興味をひき、理解度を 向上させることが可能。また、コントローラが本を模した形状なため、複雑な操作説明が不要となり、直感的な操作でデジタルコンテンツを楽しむことができる。
 さらに、凸版印刷が開発を進める最先端のデジタル表現技術と組み合わせ、店頭プロモーションやショールーム、イベント会場での活用をはじめ、照明や音楽再生デバイスの制御など幅広い用途への展開を目指す。
凸版2
北斎漫画
凸版1
『Flip and Touch the 北斎漫画』

■体験型鑑賞支援システム「FLIPPIN’」の特長

・操作しやすく直感的な操作を実現
「FLIPPIN’」のコントローラは本を模しており、幅広い情報提示の場において複雑な操作説明が不要。利用者にスムーズな参加を促し、直感的な操作を実現した。
・印刷メディアと電子メディアの特長を活かし、興味喚起や理解度の向上を実現
「FLIPPIN’」のブック型コントローラに印刷された内容と連動して、デジタルコンテンツでの情報提示が可能。印刷された内容に加え、ディスプレイ上で関連コンテンツを連動させることで、興味喚起や理解度向上を実現する。
■デジタルコンテンツ『Flip and Touch the 北斎漫画』
 凸版印刷では、葛飾北斎が江戸の森羅万象を描いた全15編の冊子本「北斎漫画」を高精細デジタル化し、データを活用したデジタルコンテンツ『Touch the 北斎漫画』の開発と公開に取り組んで来た。底本として浦上蒼穹堂・浦上満氏所蔵本を用い、初摺ならではの微細な表現まで鑑賞可能なインタラクティブ作品として、2012年より美術展と連動した公開や各種イベントなどでの活用を行っている。今回制作したデジタルコンテンツ『Flip and Touch the 北斎漫画』は、「FLIPPIN’」の直感的なコントローラで、オリジナルの北斎漫画と同じ「冊子本」を操作する感覚で楽しめるものになっている。

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