アドビ PDFだけでなく様々な文書データに対応する「Acrobat AIアシスタント」拡張機能月額680円から 生成AIベースの最新対話型エンジン
アドビ株式会社は、Adobe Acrobatの生成AI機能「Acrobat AIアシスタント」の日本語版の一般提供を開始した。Acrobat AIアシスタントは、Adobe Acrobat ReaderおよびAdobe Acrobatのデスクトップ版、webアプリ、モバイル版アプリおよびブラウザ拡張機能において、月額680円からの追加のサブスクリプションで利用できる。
Acrobat AIアシスタントは、Acrobat ReaderとAcrobatのワークフローに深く統合された、生成AIベースの最新の対話型エンジンとなっている。
アドビは、AIアシスタントの提供によって、全世界の約3兆ものPDFの情報から新たな価値を引き出し、生成AIにより、個人や企業があらゆる種類のデジタルドキュメントから素早く、かつ簡単にインサイトを得ることで、オフィス環境で働くナレッジワーカーと消費者の生産性向上を支援し、デジタルドキュメントの価値を再創造する。
Acrobat AIアシスタントの主な機能と利点
AIアシスタント:PDFのコンテンツに基づき、推奨される質問を提示したり、質問に対する回答を作成する。これらはすべて、直感的な対話型インターフェイスを通じて行われる。
生成要約:複数または長文のドキュメントを解析し、全体要約、セクションごとの要約を生成する。PDF内にある情報のみを要約するため、生成AIで発生するハルシネーションなど信頼性の低い情報を提示することがない。
インテリジェントな引用:アドビのカスタマイズしたアトリビューションエンジンと独自のAIが引用を生成するため、ユーザーはAIアシスタントの回答の情報ソースを簡単に確認できる。
わかりやすいナビゲーション:クリック可能なリンクにより、長文ドキュメントの中から必要な情報を素早く見つけることができる。
利用目的に応じた文章の生成:要約された情報を、電子メール、レポート、プレゼンテーションなどの様々な形式にフォーマットすることができる。また「コピー」ボタンにより、コピー&ペーストや共有を簡単に行うことが可能。
顧客データの尊重:Acrobat ReaderおよびAcrobatのAIアシスタント機能は、データセキュリティプロトコルによって管理されており、顧客のドキュメントの内容が同意なしに保存されることや、AIアシスタントのトレーニングのために使用されることがない。
さまざまなデータ形式に対応:あらゆる文書形式(Word、PowerPoint、会議の議事録など)のファイルをAIアシスタントに読み込ませて使用することができる。
2024年にアドビが実施した、社内資料をデジタル管理しているデスクワーカー400名を対象にした「ビジネスにおける過去資料の活用状況」に関する調査によると、全体の87%が業務で過去の社内資料を参照・再利用していると回答した。過去資料を活用する際の最大課題としては、「必要な資料の検索に時間がかかる(52.4%)」、「資料内の必要な情報にたどりつけない(43.4%)」が挙げられ、社内資料をより効率的に検索し利用する方法が求められていた。
また、AIによる業務効率化が期待される一方で、情報漏洩やハルシネーション(AIが事実に基づかない情報を生成する現象)など、安全性や情報の正確性がAIの導入における課題として挙げられている。
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アドビ株式会社 Document Cloudのシニアプロダクトマーケティングマネージャーである立川太郎は次のように述べている。
「Acrobat AIアシスタントを使ってドキュメントと対話できるようになることで、誰もがより生産性の高い業務ができるようになります。生成AIは、大量の文書から必要な情報を素早く見つけ出し、新しい発見を得たり、さらにコンテンツを作成するのに役立ちます。また、生成される情報には引用元が表示されるので、情報の正確性を確認しながら安心してご利用いただけます。これにより、日本市場でも日常業務の生産性が向上し、デジタルドキュメントの価値が再定義されると確信しています」
PDF用の生成AIで信頼を構築
PDFは、個人や組織が最も重要な情報を保持するフォーマットとなっている。アドビがPDFを提供開始してから30年以上が経った今でも、AcrobatはPDFの読み取り、編集、変換のスタンダードであり続けている。Acrobat AIアシスタントは、数々の受賞歴を誇るLiquid Modeと同じ人工知能と機械学習モデルを活用することで、PDFの構造と内容を独自に理解し、AcrobatのAIアシスタントのアウトプットの品質と信頼性を大幅に高め、サードパーティLLMのテクノロジーを補完している。アドビのカスタマイズしたアトリビューションエンジンによって引用を生成することで、ユーザーは回答の情報ソースを容易に確認できる。
アドビが提供する他のAI機能と同様に、Acrobat AIアシスタントもアドビのAI倫理プロセスに準拠して開発されており、個人から世界有数の企業まで、あらゆるユーザーが安心してAI機能を利用できるよう、ガードレールを設けている。アドビは、サードパーティのLLMがアドビの顧客データに関するトレーニングを行うことを禁止している。
Acrobat AIアシスタント(日本語版)は、無料のAdobe Acrobat Readerおよび有料の個人向けAdobe Acrobatにおいて、月額680円からの追加のサブスクリプションを通じ利用できる。Acrobat AIアシスタントのサブスクリプションプランは、デスクトップ版、webアプリ、モバイル版アプリおよびブラウザ拡張機能で利用が可能。モバイル版アプリは音声コマンドにも対応している。