大日本印刷 最先端EUVリソグラフィに対応した2nm世代以降のロジック半導体向けフォトマスクに要求される微細なパターン解像に成功 2027年度には量産フォトマスク供給を目指す

大日本印刷株式会社は、半導体製造の最先端プロセスのEUV(Extreme Ultra-Violet:極端紫外線)リソグラフィに対応した、2nm(ナノメートル)世代以降のロジック半導体向けフォトマスクに要求される微細なパターンの解像に成功した。
また、2nm世代以降の次世代半導体向けに適用が検討されている高開口数(High-Numerical Aperture:高NA)に対応したフォトマスクの基礎評価が完了し、半導体開発コンソーシアムや製造装置メーカー、材料メーカー等へ評価用フォトマスクの提供を開始。高NA-EUVリソグラフィは、従来に比べて高い解像度の微細なパターンをシリコンウエハー上に形成することを可能にし、高性能かつ低消費電力の半導体の実現が期待されている。

近年、最先端のロジック半導体ではEUV光源を用いるEUVリソグラフィによる量産がさらに進み、メモリ半導体においてもその採用が拡大するなど、最先端半導体の供給にEUVリソグラフィが欠かせないものになっている。

大日本印刷は、2023年に3nm世代のEUVリソグラフィ向けフォトマスク製造プロセスの開発を完了。2024年には、Rapidus株式会社が参画している国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」に再委託先として参画し、最先端ロジック半導体向けフォトマスク製造プロセスおよび保証にかかわる技術を開発している。

2nm世代以降のEUVリソグラフィ向けフォトマスクの実現には3nm世代に比べて、20%以上縮小されたパターンが要求される。サイズだけでなく形状も一般的な直線や矩形パターンだけでなく、複雑さを増した曲線パターンを含めた、すべての微細なパターンを同一マスク上で解像させる技術が必要となる。
大日本印刷は確立済みの3nm世代の製造プロセスをベースに、改善を重ねることで2nm世代以降に要求されるパターンの解像を達成した。

同社は製造の歩留まり向上などの生産技術の確立を進め、2027年度の2nm世代ロジック半導体向け量産フォトマスク供給開始を目指している。
また、引き続きベルギーに本部を置く最先端の国際研究機関imecとも協力し、1nm世代も見据えたフォトマスク製造技術の開発を推進。国際的な半導体産業において、さまざまなパートナーと連携して開発を推進し、日本の半導体産業の成長に貢献していく。

2ナノメートル世代以降のEUVリソグラフィ向けフォトマスク
EUVリソグラフィ用フォトマスク上の微細曲線パターン画像

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