【印刷ビジネスモデル集2019】= 紅屋オフセット =印刷現場の標準化と見える化で生産力向上

【印刷ビジネスモデル集2019】<br>= 紅屋オフセット =<br>印刷現場の標準化と見える化で生産力向上

印刷会社のための印刷会社として改善すすめる

川島工場B縦半裁シート専用輪転印刷機
川島工場B縦半裁シート専用輪転印刷機

印刷会社のための印刷会社として、24時間・365日の稼働と生産力で印刷会社をバックアップしている紅屋オフセット株式会社は、時代に応じた現場改善や品質管理の強化と、価格・納期厳守で顧客ニーズに応えている。

印刷市場を支える取り組みとしては、印刷通販サービスなどのアウトソーシング先としても機能できる体制を構築した。印刷通販サービスへの対応は、これまで同社が受注してきた印刷会社経由での発注とは大きく異なる。印刷会社経由の場合、色見本やデータに合せた印刷品質が求められるが、印刷通販サービスの場合は色校正がない分、一定した品質での安定生産が必要となる。

そこで同社では、印刷通販サービスに対応できる環境づくりのための標準化を進めた。標準化にあたっては、JapanColor標準を活用。印刷機の調整や不具合部分の見直しを行うなど印刷環境の改善を図り、品質管理の標準化を行った。一連の改善により、品質のトラブルも削減されており、機械整備を続けることで、さらなる改善を目指している。

特に印刷機の改善では、機械の状態を、各部5点満点でみていく点数制度にすることで、細かくチェックできる体制にしている。これにより各部の問題点が具体的に判るなど、印刷機の課題の「見える化」が進んだ。印刷機を一度に見直すことはコストの問題や時間の制約などで厳しいが、点数制度にすることで常に印刷機の状態を把握できる状況となった。

また同社の工場では、環境に配慮した取り組みも、長年取り組んでいる大きなテーマとなっている。特に最近では、現像モーターの改善やチラーを省エネ対応にすることで電気使用量の削減に繋げている。

低乾燥印刷についても引き続き行っており、インキ使用量の削減と併せて、インキだれの事故や過乳化トラブルの減少、発色の良化、準備時間の標準化など印刷トラブルを防止する取り組みとして機能している。

その他にも効率化への取り組みでは、昨年3月に川島工場に導入した現像レスプレート対応のCTP「アバロンN8」も活躍。生産効率が上がり、スピードアップを実現している。また評価の高いシーターを使った印刷では、印刷ノウハウが技術力として蓄積され根付いており、同社の印刷サービスの特長の一つとなっている。現在、同社では、シート専用輪転機4台、兼用機2台を合わせた6台が稼働している。

印刷会社からの受注が大半を占める同社の生産設備は、大ロットから小ロットまで対応できる。川島工場は輪転機(A横全判1台、B縦半切1台)を設備。大量ロットを得意とする深谷工場はオフ輪9台(A横全判機5台、B縦半切4台)のほか、CTP2台、中綴機、断裁機、折機などが稼働している。

こうした設備力も人材が揃っていることで成り立つが、最近は働き方改革への対応などにより、今後ますます最適人材の配置が課題になってくる。そこで同社では、人材教育・人材育成にもさらに力を入れ、印刷会社のための印刷会社として、さらに対応力を強化していきたいとしている。

紅屋オフセット株式会社

本社 東京都文京区大塚3-20-1 紅屋茗荷谷ビル

代表者:今井敏義氏

TEL 03-6902-9132

FAX 03-6902-9137

https://www.beniya-print.co.jp/

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