=クロスメディアソリューション=【事例 ビジネスモデル】山陽印刷印刷+ARソリューションの宣伝効果を上げる参加者限定のARプロモーションイベントを開催

=クロスメディアソリューション=<br>【事例 ビジネスモデル】山陽印刷<br>印刷+ARソリューションの宣伝効果を上げる<br>参加者限定のARプロモーションイベントを開催
営業本部の宇井正佳部長(右)と企画部の相田聖二次長
営業本部の宇井正佳部長(右)と企画部の相田聖二次長

神奈川県内で有数の産業団地エリアの一つである金沢区福浦地区に本社を置く山陽印刷株式会社(秋山桂子社長)は、出版・印刷物の企画・編集・デザイン・製造に限らず、販売やマルチメディア開発なども行っている。また印刷物に関する業務だけでなく、日米友好100周年を記念した和菓子『シドモア桜』と『ハナミズキの詩』のプロデュースをはじめ、2013年からは社内を解放してアーティストのワークショップ等を行う『会社まるごとギャラリー』を開催するなど、地域貢献に繋がるユニークな活動を行う企業。
同社のIT事業を担当する株式会社アサイトが、今年7月11日、ARプロモーションイベント『SUMMER BREEZE EXHIBITION
(サマーブリーズエキシビション)』を主催した。同イベントを担当した営業本部・宇井正佳本部長と企画部・相田聖二次長に話を伺った。

スケボーやピストバイク好き、消費者向けイベント開催

盛況だったARプロモーションイベント
盛況だったARプロモーションイベント

山陽印刷が手がけたARプロモーション「SUMMER BREEZE EXHIBITION」は、横浜港を巡る観光クルーズ船「マリーンシャトル」を貸し切り、オリジナルアプリとAR(拡張現実)を活用した集客広告のためのプロモーションイベント。大阪のスケードボードブランド“DORCUS(ドーカス)”と、リキュール・ハーブ酒の“Cocalero(コカレロ)”、高級ピストバイクの“Brotures(ブローチャーズ)”が、商品を提供する企業として参加して行われた。
このARプロモーションイベントは、印刷関連商社である㈱モトヤから、ARアプリ開発なども行う㈱ウイズのARクロスメディアソリューションを活用したイベントの開催を提案されたことに始まる。ウイズとモトヤでは、すでに同様のイベントを大阪、名古屋でそれぞれ開催。前回の2回では、一般のユーザーをターゲットにしながらも、スマートフォンを使った新しい取り組みが注目され、高い評価に繋がっている。
今回の主催者となった山陽印刷でも、2年ほど前からARビジネスに着手していた。しかし、顧客先にAR活用のメリットや具体的な活用方法を伝えることが難しいと感じていたと、営業本部長の宇井正佳本部長は振り返る。提案する側としても、ARの仕組みや活用方法を理解するまでに時間が掛かり、魅力的な事例がないままでは、どこで何に使うべきなのかを訴求しきれず、紹介するだけで終わることが多かったという。

ARを添付した印刷物で顧客のニーズを測定する

ARプロモーションイベントは、具体的にはイベント参加者が、スマートフォンにダウンロードしたARアプリを通じて、チラシやタグなどの広告宣伝物からサービスや商品情報を獲得し、さらにそれをそれぞれがSNS等で拡散していく。印刷物とスマートフォンアプリのクロスメディアによる「バイラルマーケティング(情報拡散)」が展開されることが、同プロモーションの狙いとなっている。
同プロモーションは、イベント開催前から取り組みがスタート。まず、影響力ある人物がネット上でイベント情報を拡散して集客を図る。今回は、スケボーやピストバイク、お酒などに興味のありそうな消費者を想定した人選で、DJ世界大会で優勝した8MAN、大阪の人気DJであるGEORGE、ラッパーのTOTALIZEやTwiGyといったメンバーがインスタグラムやFacebook、twitter、ブログなどにフライヤーをアップしてイベントを告知した。
イベントの参加には、アプリのダウンロードが必要なため、参加者は必然的に会場で使用するアプリがダウンロードされたスマートフォンを持参している。そしてイベント会場では、PR商品なども展示してリアルに商品を紹介。商品のタグやフライヤーなどの印刷物にはARマーカーが仕掛けられており、参加者はスマホ上のARアプリを立ち上げて、配信されるコンテンツを体験する。加えて、参加者にとってイベントが限定されているほど話題性があるため、それぞれのSNSへイベントの模様をアップしてもらえるなど、情報の拡散効果が期待できる。

ARプロモーションイベントに関連して様々な印刷物も制作
ARプロモーションイベントに関連して様々な印刷物も制作

同イベントで商品を宣伝した企業にとっては、イベントを通じて参加者が興味ある情報に直接アクセスするため、いつ・どこで・どの印刷物にどれだけの接触があったのかを測定する材料となる。そのため、注目度の高い商品や人気商品が判明する。さらには宣伝効果・PR効果のある印刷物についても検証することができる。
特に3回目となる今回のARプロモーションイベント『SUMMER BREEZE EXHIBITION』では、出入りが自由にならない船上を会場に設定し、来場者は一般客の他に来賓・招待客で乗船人数を限定して行われ、前2回の開催よりもさらにターゲットを絞り込んだ内容となった。会場には、山陽印刷のほとんどの社員がスタッフとして参加。ARを楽しんでもらうために、使い方なども教えながら、顧客企業にとってのAR活用の体験も提案できたという。

イベント会場では展示商品などに須磨穂をかざして情報を獲得
イベント会場では展示商品などに須磨穂をかざして情報を獲得

(続きは『デジタル・メディアソリューションズ2016』に掲載)

〔問合先〕
山陽印刷株式会社
横浜市金沢区福浦2-1-13
http://www.sanyoprint.co.jp

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