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共進ペイパー パッケージ市場に革新起こす~レーザー加工機 PAPER ONE 1号機導入

2017.1.17

起動ボタンを押す鍛治川常務取締役

起動ボタンを押す鍛治川常務取締役

共進ペイパー&パッケージ(鍛治川清司社長/兵庫県神戸市)は千葉市花見川区の関東工場に、コムネットが販売するSei社(イタリア)製レーザー加工機「PAPER ONE(ペーパーワン)5000」を導入した。同社はネットで小ロットの貼箱・紙箱を受注する『ハコプレ』を展開している。レーザー加工機の導入は小ロットの加工の効率化が目的の一つ。一部の複雑な加工用途でレーザー加工機を利用していたが、筋押しもできる「PAPER ONE 5000」の導入で本格的にレーザー加工ラインを構築する。現在、ハコプレ事業はサービス開始から約3年半で年間売上5億円を突破。5年後には20億円の年商を目指す。

 

抜き加工の小ロット適性強化

 

PAPER ONE 5000

PAPER ONE 5000

共進ペイパー&パッケージは1948年、神戸市須磨区で創業した。1961年に紙器、段ボール製造工場を立ち上げ、本格的にパッケージ製造をスタート。現在は全国5工場、タイ1工場の製造拠点で、段ボールシート生産をはじめ、印刷・打抜加工・製函・発送まで一貫生産体制を整えている。また、強化段ボールシートの特徴を活かした重量物梱包の製造技術により特殊梱包も手掛けるとともに、製品パッケージ製造も展開。サック箱、底ワンタッチ箱、地獄底箱、キャリー箱、化粧箱(美粧段ボールケース)など、基本的な形状はもとより、製品形状やコンセプトに合わせて、企画・デザインから印刷、打ち抜き、貼り(製函)までの工程を自社内で完結している。

2013年4月にはデジタル印刷機を活用し、“ほしい箱を 欲しい時に 欲しい量だけ 欲しい価格で”をコンセプトにインターネットで小ロットの紙箱、貼箱を受注する『ハコプレ』を開始。約3年半で年間売上高が5億円に達した。2015年5月からは小ロットのPOPを提供する『ポップレ』も開設。このほか、小ロットの紙袋を提供する『ハコプレ 紙袋』、一般消費者向けの『世界にひとつだけの箱』を展開しており、印刷、抜き加工の技術を活かした独自のサービスを編み出している。

 

ビク抜きとトムソン抜きのロットギャップ埋める

 

同社が『PAPER ONE 5000』を導入した動機の一つが小ロットパッケージの生産性向上。同社では木型を内製化しているものの、小ロットの場合、型の制作や抜き機のセットがボトルネックとなる。型がいらないレーザー加工機は小ロット適性が高く、デジタル印刷機と相性が良い。また、抜きでは不可能な細いラインや細かい装飾の加工が可能となり、パッケージを始めとする製品の高付加価値化を図ることができる。

すでに同社ではSei社のレーザー加工機『FLEXI』を導入。主にパッケージの高付加価値化や商品タグの加工に利用していたが、『PAPER ONE 5000』が、筋加工をワンパスで実現することから、パッケージの本格的な加工機として導入を決断した(次面に別稿)。筋入れに伴う型は10分から15分程度で制作することが可能で、印刷中に制作作業にかかればボトルネックが生じない。しかも、“オス”、“メス”の両方の型がセットでき、オスのみの型で筋を入れる他社製の装置に比べて、高い品質が得られる。

稼動開始後は、既存の木型から順次移行。将来的には“1営業日”の出荷体制を整える。同社の鍛治川和広常務取締役は、「ハコプレのコンセプトは1営業日でパッケージが作れること。これまでは木型の制約があり、3営業日が最短だった。現在、3営業日、5営業日の出荷は全体の1から2%だが、1営業日ができることは、サービスの信頼性向上に大きく貢献すると思っている」と述べている。

加工ラインのロットの目安は、カッティングテーブルが極小ロット、ビク抜きが1時間に500~800枚、トムソンが1時間に5,000~6,000枚。『PAPER ONE 5000』は、ビク抜きとトムソンのロット数のギャップを埋める。

運用に際しては熟練工に限らない体制を目指す。現状、人員確保の面から抜き型製作部門の稼動時間が限られていたが、『PAPER ONE 5000』の導入により24時間稼動を見据える。

今後は『ポップレ』で受注したPOPの加工に利用するほか、グルアーの小ロット対応を図る。印刷会社をはじめ、高付加価値加工の外部受託にも応えていく。

【共進ペイパー&パッケージ 鍛治川和広常務取締役】

日本のパッケージ市場のエポックとなるレーザー加工機の第1号機を導入した。これにより我々が提供するサービスの期待が高まると思う。2012年のdrupaからレーザー加工機に注目していたが、正直、精度の面から10年後の技術と感じていた。しかし、2016年のdrupa2016では、十分活用できる品質に達したと判断した。レーザー加工を通じて、デジタル印刷のパッケージサービスをはじめ、当社の総合的なWebサービスが日本市場で突出した存在になることを期待しているし、それができるマシンだと思う。

【コムネット 五十嵐晃治社長】

当社はレーザー加工機が紙加工で使えることをお伝えしてきた。共進ペイパー&パッケージ様にはFLEXIの初号機を導入して頂き、5年が経過したが、その間、Sei社の製品はレーザービームの径が細くなりますます紙に適合するよう進化を遂げた。PAPER ONEはSei社のフラッグシップマシンで、世界のパッケージ市場にイノベーションを起こすと宣言して市場投入された。パッケージ業界、印刷業界に革新を起こしていけるマシンだと思う。

 

ハコプレ=https://www.hacoplay.jp/

PAPER ONE 5000=http://www.comnet-network.co.jp/hardware/sei/paperone.html