凸版印刷 VRコンテンツで興福寺「三重塔」内を彩色再現

凸版印刷は、鎌倉時代に再建された興福寺(奈良県奈良市)の国宝「三重塔」内部に極彩色の文様が広がる様子をデジタルで再現し、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)で体験できるVRコンテンツを製作した。8月26日から興福寺で開催される「興福寺国宝特別公開2016 五重塔・三重塔」の会場で初公開する。

興福寺最古の建造物である国宝「三重塔」の塔内には、微細な千躰仏や極彩色の文様が描かれていたが、現在は経年劣化により剥落し、大部分が失われている。今回、凸版印刷は三重塔の内部を高精細にデジタル撮影し、38億4千万画素におよぶデータを取得。従来培ってきたVR技術を用いることにより、三重塔の内部に入って現在の塔内と千躰仏や文様を色鮮やかに再現した塔内とを360度鑑賞できるVRコンテンツを製作した。特別公開では、三重塔の目の前でHMDを装着することで、目の前に見えている塔の内部に入り、彩色再現された往時の空間にタイ
ムスリップしたかのような鑑賞体験をすることができる。
なおVRコンテンツ製作にあたり、塔内に描かれた千躰仏や文様の彩色再現には、文様彩色画師の故・山崎昭二郎氏と奈良教育大学教授・大山明彦氏が1992年に作成した彩色復元模写を参考にしている。

国宝「三重塔」初層内部(左)現在の様子、(右)彩色再現した様子
国宝「三重塔」初層内部(左)現在の様子、(右)彩色再現した様子

■ 興福寺 国宝 三重塔内部「バーチャルリアリティ体験」について
期間:前期 8月26日(金)~8月31日(水)
後期 10月1日(土)~10月10日(月・祝)
※「興福寺国宝特別公開2016 五重塔・三重塔」開催期間中の公開
時間:9時~16時(体験時間約3分、各日先着250名)
場所:興福寺会館前(三重塔西側)
料金:無料(ただし「興福寺国宝特別公開2016 五重塔・三重塔」拝観券提示が必要)
対象:13歳以上(※混雑時は整理券を配布)

<「興福寺国宝特別公開2016 五重塔・三重塔」について>
主催:法相宗大本山興福寺、朝日新聞社、テレビ朝日
会期:2016年8月26日(金)~10月10日(月・祝)
拝観場所:興福寺 五重塔(初層)、三重塔(初層)
拝観時間:9時~16時(発券は終了30分前まで)
拝観料:(個人)一般 1,000円、中高生 700円、小学生 300円
(団体)一般 900円、中高生 600円、小学生 250円
*団体料金は20名以上
*障害者手帳をお持ちの方(およびその付添者1名まで)は半額

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