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ハタ技研 サクライ全判機導入で劇的効果
2.5~3倍の生産性を実感

2015.12.15

端 晶弘社長

端 晶弘社長

株式会社ハタ技術研究社(端 晶弘社長/東京都羽村市)は、今年11月、桜井グラフィックシステムズの水なし印刷仕様の菊全判オフセット枚葉4色機「OLIVER 496SD」を導入し、劇的な生産性向上とコスト削減を達成している。

同社は昭和47年に創業した印刷会社。〝技術研究社〟という社名は創業者で先代の端功一氏が「技術力を売り物にした印刷会社を目指す」との想いから付けられた。その理念は現社長の端晶弘氏に受け継がれている。

環境印刷への取り組みは早かった。2007年、アグフアの現像レスCTP「アズーラ」を導入し、翌年に環境保護印刷推進協議会の「クリオネマーク」を取得。2009年に水なし印刷の認証マークである「バタフライマーク」を追加し、2010年にはカーボンフットプリントに取り組み始めた。

2011年には現在の羽村市に本社・工場を移転。生産環境を整備し、環境にやさしく高い品質の印刷製品を届けている。移転と同時に、水なし印刷仕様の四六半裁4色機を導入し、その後、増設して、四六半裁4色機2台、菊半裁4色機1台が稼動してきた。

同社では「アズーラ」で水を徹底的に絞って印刷するため、紙面乾燥が早い。5〜10分で断裁工程に移すことができるほどで、四六半裁機2台でそれぞれ表裏のプレートを設置し、同時に印刷して反転した用紙をそれぞれ異なる機械で表裏を印刷。これによりチラシの生産性を上げていた。

水なし印刷仕様の菊全判オフセット枚葉4色機「OLIVER 496SD」

水なし印刷仕様の菊全判オフセット枚葉4色機「OLIVER 496SD」

移転した当時は、B3判オフ輪機の導入を検討するなど、「チラシの需要がそれなりにあった」(端社長)。しかし、2015年の段階でチラシの売上は10%を切り、移転の時に比べて3分の1に減少。反対に増えたのがA列のパンフレット・マニュアルのページ物やカタログだった。中綴じ、無線綴じと製本設備を揃え、ワンストップで対応できる利便性からページ物の需要が増えてきたのである。

「B列の需要が減ってきて、このまま四六判の機械でいけるのか疑問に思っていた。菊全判機の導入はイニシャルコストの面で導入が難しいと考えていたが、今年の初頭に桜井グラフィックシステムズに相談したところ、政府系金融機関の制度融資を紹介してもらうなど、親身になって対応してもらった」(端社長)

敷居が高く感じていた菊全判機の効果は思った以上だった。版数が減り、印刷時間は半分。これまで用紙業者に半裁に断裁して用紙を届けてもらっていたが、断裁費の支払いが削減できた。また、外注していた全判の業務が内製化されることで付加価値が向上。外注の際に発生していた往復運賃も劇的に減った。

端社長は繰り返す。

「それだけ費用が節約できれば菊全判機の導入は可能と判断した。面付作業にしても半裁に比べて作業は約2分の1。外注の分を取り込んでも80%の力で処理ができている。オペレータの連携や製本工程の改善を進めればもっと伸び代がある。半裁機の2倍どころか2.5倍から3倍の生産性の感覚。導入した意味をすごく感じている」

機種の選定に当たっては、桜井グラフィックシステムズへの信頼が大きかった。これまで同社の印刷機を設備してきたが、機械の性能に加えて、対応の速さへの評価は高い。立ち上がりは早く、3日で設置完了し、本稼働に移れた。オペレータは現在1.5人体制で、印刷機の扱いも同じメーカーの機械だけに戸惑うことがなかった。今後、動きになれてくればさらなる生産性が向上してくる。

導入して1ヵ月。すでに目に見える効果が表れている。四六半裁機が設置してあったスペースには今後、製本設備の拡充などを見据えているという。

▽株式会社ハタ技術研究社  http://www.hata-tl.co.jp/