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【ルポ】ミカド 抗菌・抗ウイルス印刷サービス開始で安心・安全の印刷物提供

2021.7.20

新たなニーズから市場の開拓へ

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青柳 恵介社長

 

書籍・雑誌やコミックを中心とした印刷前工程の写植・版下・製版(プリプレス)技術を基盤に、文字組版や製版技術を生かした読み手に配慮した美しい誌面づくりを支援している株式会社ミカドでは、今年から抗菌・抗ウイルス印刷のサービスを本格的に開始した。

同社の青栁恵介社長が抗菌・抗ウイスル印刷への取り組みに注目したのは、新型コロナウイルス感染拡大が急激に広がった昨年6月頃。

「ドイツのVarcotec(バルコテック)社が、抗ウイルスニスへの取り組みを始めていることは聞いていました。しかし、そのタイミングでは日本では販売されていませんでした。一方で、新たな付加価値を付けた取り組みが必要だと考えていたタイミングでもあり、補助金を活用して抗ウイルス印刷の設備導入ができるといいのではないかと考えていました」と当時を振り返る。

その後、新星コーポレィションがバルコテック社の抗ウイスルニス「Lock3」を扱うという情報を得たことで、抗ウイルス印刷サービスに乗り出すことを決定。水性のLock3を扱え、なおかつ社内のPOD機との親和性も高いトヨテックの水性ニスコーターを、今年6月に導入した。同システムは、IRの熱で瞬時にニスを硬化させ、効率よくプリマー処理や水性ニスコートができるようになる。

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トヨテックの水性ニスコーター

 

抗ウイスルニス「Lock3」と

抗ウイルス液「TVi-4000」

 

一方、トヨテックで、水性の抗ウイルス液「TVi-4000」を発売。そこでミカドは、Lock3と抗ウイルス液の両方へ対応する環境を確立した。これによりウイルスや細菌をシャットアウトする「抗菌・抗ウイルス加工で安心をお届け」サービスを展開してる。

 

「Lock3」と「TVi‐4000」は、抗ウイルスに対する機能や仕上がり感などに違いがある。「Lock3」は、新たな光触媒技術である一重項酸素による抗菌システムを採用しており、世界で初めて新型コロナウイルスへの効果が実証された。印刷表面に塗布するため、印刷物にグロス感を与えることができる。

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新星コーポレィションが提供している抗ウイスルニス「Lock3」(左)とトヨテックの水性の抗ウイルス液「TVi-4000」

一方、「TVi‐4000」は、銅イオンと活性酸素による抗菌システムを採用したアルコール溶液によるもの。無色透明なので、素材の風合いを変えることなく抗菌・抗ウイルス機能を印刷物に付加できる。

 

同社では今後、積極的に印刷物への抗菌・抗ウイルス加工を提案していく。

抗菌・抗ウイルス印刷物としては、チラシ、ポスター、パンフレット、ポストカード、名刺、ステッカーなど様々な印刷物への加工が考えられる。例えば、医療現場であれば、診察券・カルテ・薬袋・お薬手帳あるいは院内の案内など、多種多様な印刷物が活用されている。あるいは教育現場ならば連絡帳・ノート・集金袋・教材などがあり、飲食店ならばメニュー・ランチョンマット・ショップカード、その他にも、イベント会場で配布する案内チラシ・紙袋・パンフレット、書店のブックカバーなど、生活の中には、多くの人が手に取る印刷物は意外と多く存在する。多くの人が無意識に手にとる印刷物だからこそ、抗菌・抗ウイルス加工を行うことで新型コロナウイルスに限らず、インフルエンザのような感染対策としても期待できる。

抗菌・抗ウイルス加工の採用は、「高い安全性と安心感」「優れた抗菌・抗ウイルス力」「ウイルスの滅菌率99.99%」という3つのメリットが得られる。これにより印刷物は安心して誰もが利用できるメディアとしての存在感が発揮される。

青柳社長は、「コロナ禍により改めて抗菌・抗ウイルス効果が注目されている今、取り組むことで印刷物の新たな付加価値となり、新たな市場の創造が期待できる。そのためにもニーズの掘り起こしも同時に取り組んでいきたい」と展望している。

 

株式会社ミカド 東京都千代田区神田猿楽町2-7-7 https://mkd.jp/

 

「プリテックステージニュース」2021年7月15日号から