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ポストプレスブック2021:田中印刷 帳票印刷・加工・製本、偽造防止商品券、オリジナル付箋まで

2021.8.10

勝田断裁機がポストプレスの起点となり生産効率を高める

 

p22-1 田中社長

田中社長(右)と岡田製造部統括部長

京都の伝票印刷会社として全国に知られる株式会社田中印刷(田中辰法社長)は、得意の伝票印刷に加えて金券、医薬品関連の添付文書・能書、圧着DM、封入封緘、オリジナル付箋などの事業領域を広げている。その原動力となっているのがポストプレスにおける高度な加工技術と勝田製作所の断裁機設備だ。田中辰法社長は「断裁機はポストプレスの起点となる。伝票やプレミアム商品券、付箋などの製品部門毎に勝田断裁機を設置し、印刷物をできる限り移動させることなく最終製品まで完結します。ポストプレスにおける独自の加工技術と高付加価値を追究しています」と語る。

 

京都の伝票専門会社

 

田中印刷は1950年京都市伏見区深草寺内町で創業。複写伝票、連続伝票、OCR・OMR帳票、圧着DM、封入封緘・発送業務など帳票印刷を一貫生産する。
帳票に加えて、プレミアム付商品券・金券類、医薬品関連添付文書などの印刷・仕上げ加工、偽造防止加工を社内一貫製造体制により顧客から厚い信頼を得ている。また新型コロナワクチン接種業務として接種券、予診票、データ編集・可変印字、封入封緘業務を受託している。
1989年には東京営業所を開設、2011年に京都市南区久世の現本社工場に移転、2014年に久世工業団地内にDPS事業部、物流センターを開設、生産部門を久世工業団地に集約した。
2014年には研究開発事業で「京都府元気印企業」と「経営革新企業」認定、「伝票通販事業」、「エコ伝票」、「オリジナル付箋」の新規事業を開始した。2019年に田中辰法社長が就任、2020年に創業70周年を迎えた。
主な設備は紙面検査装置付き6色フォーム輪転機など6台のフォーム輪転機、枚葉4色オフセット印刷機をはじめ丁合多パーツバースター、自社開発の糊付機、高速インクジェットプリンター、ナンバー印字装置付きのバースター、検査カメラ装置付ロールコレーター、折丁・紙面検査装置付き折機、ラウンドフィーダー付き折機、封入封函機、ホログラム加工機、エアローター丁合機、検知システム付自動無線綴機、マーブル貼機、連続帳票断裁・仕分け処理機、自動紙帯機、自動包装機など印刷から加工機、発送システムの一貫生産体制を持つ。
田中社長は最近の市場動向について次の通り語っている。
「デジタル化が進み伝票市場は大きく変化しています。単純な印刷物にとどまらず、個人情報などのデータ編集加工から印字、封入封緘など前後工程も出来るように事業領域を広げる必要があります。また金券や医薬品関連印刷物など小さなミスも許されない付加価値の高い市場への取り組みもすすめています」と最近の傾向を述べている。

 

ポストプレス加工設備で差別化

 

p22-2 大型・中型断裁機

勝田断裁機の大型機SH380(右)と中型機のSH290(左)

p22-3 KC66

小型断裁機のKC66

差別化戦略で大きな役割を果たしているのがポストプレスにおける加工技術と設備で、その中心となっているのが5台の勝田断裁機だ。6台のフォーム輪転機、オフセット印刷機、オンデマンド印刷機からポストプレス工程に振り分ける際、断裁機は効率的な生産を構築するために大きな役割を果たしている。
同社は計6台の断裁機を設備するが、その中心となっている5台の勝田断裁機は2007年に小型断裁機のSH220-HOP J4fを導入して以来、2013年に新型小型断裁機KC66、2016年に大型断裁機のSH380-HOWJ4fx、2019年にKC66J7c、2020年に中型断裁機のSH290-HOPJ7を導入した。
岡田茂昭製造部統括部長は「勝田断裁機は使い勝手が良く、ソフトクランプで安全性が高く、作業者が安心して使えます。大型から中型、小型まで共通していることは高品質の断裁精度と操作性の良さです」と述べる。
岡田製造部統括部長はフォーム印刷機、枚葉印刷機から多彩な加工機へ仕事を流す中で「ポストプレスの加工の多くが断裁機から始まります。断裁機は仕事の内容によって分けていますが、当社は10年前から勝田製作所の断裁機を使っています。『操作性が良く使いやすい』と現場が勝田断裁機を高く評価しています。ソフトクランプの安全装置が付き、新人でも安心して使えます。アフターサービスも良く、対応も早くてスムーズです。電気関係のバージョンアップも随時行われるので最新の動作環境が保障されます」と信頼を寄せる。
勝田断裁機は大型、中型、小型を仕事に応じて各フロアに分けている。岡田製造統括部長は「大型機で断裁した製品を中型機と小型機に振り分けます。商品券や付箋など細かいものや手間のかかる仕事は小型断裁機で完結します。最近は商品券や付箋の需要が伸びており、勝田の小型断裁機KC66は断裁精度が大型機と変わりません。金券や商品券、付箋のように小さな商品は高品質で付加価値が高く、断裁精度が要求されます。薄紙や厚紙、フォーム印刷用紙やオンデマンド印刷用紙など多様な紙を高品質に断裁し、細かい仕事や手間のかかる仕事を取り込めます」と付加価値の高い金券や商品券が増え、勝田断裁機が加工の中心になっているという。
コロナ禍により、世の中で必要とされる印刷物が変化する。田中社長は「小ロット化が進み、細かい仕事が増えています。またナンバリング、バーコード、QRコード等の可変印刷の需要が高度化・多様化している一方で簡単な事務用伝票の依頼は減ってきています。今後は生産性を高め、品質も安定するように機械化や自動化も進めます。また各工程での管理体制や検査機器を充実させ、しっかりとしたトレーサビリティを示すことでお客様の信頼を得ていきたい。そして個人情報なども含めたデータ編集加工に強い人材を育てIT時代に求められる印刷会社を目指したい」と今後の方向を語っている。

 

株式会社田中印刷
京都府京都市南区久世築山町452-2
代表:田中辰法氏
TEL 075-933-2191
https://www.tanaka-kp.co.jp

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