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【検査特集】文星閣 検査装置で厳しい品質要求に対応、菊全印刷機6台にインライン検査装置導入

2021.5.31

両面UV印刷機を含む8台68胴の印刷機の24時間フル稼働による印刷サービスを行っている株式会社文星閣は、導入6台の印刷機にインラインの検査装置を搭載し、品質管理の向上に取り組んでいる。

 

同社が初めてインライン検査装置を活用したのは、2013年に導入したKOMORI製UV印刷機に装備した純正のインラインの検査装置。当時、検査装置を搭載した印刷機は少なく最新の技術だったが、印刷品質に対する要求の高まりから必要性を感じての導入だった。

 

ウエブテックの装置を使った検査作業

ウエブテックの装置を使った検査作業

2台目は、ウエブテック製のインライン検査装置を選択。技術部の川嶋豊和副部長は導入の動機にコスト面に加え、「会社のある東京都大田区にウエブテックさんがあるというのが一番大きな要因でした」とサポート体制を挙げる。「最新の技術で、まだインライン検査装置のノウハウも少なく、不安もあったので、すぐに来てもらえることが重要でした」。その他にも、感度の良さなどの性能や、不良レベルに応じて発する音も変更でき、不良品のところに挟み込むリジェクトテープの挿入・不挿入を選択できるなど、オペレーター目線の使いやすさも評価した。

 

検査装置を導入したことで、「仕事の進め方が変わりました」と語るのは、瀬高次郎工場長。検査装置の導入で懸念していたのが、生産性が落ちることだったが、オペレーターも検査装置の操作をすぐに覚え、空いた時間に操作設定するなど有効活用が実現した。

 

検査装置導入前は、オペレーターによる目視確認と刷了後の確認の2段階で品質管理を行っていたが、管理の限界や、作業負担が課題となっていた。そうした中、インライン検査装置を導入したことで検査レベルも上がり、作業負担も軽減。納品後に不良品が発見された時の、原因の追求や対策もしやすくなった。導入前は、納品先から不良の通達を受けると「すみません」と謝るだけだったのが、今では検査結果が記録されているため、印刷後の加工や輸送が原因で不良が出た場合もわかるようになり、説明しやすくなっている。

 

特に同社では、エンタメ系の印刷物など品質管理がシビアな仕事が多い。印刷クライアントから、「検査装置付きの印刷機で印刷してほしい」という要望が寄せられることもある。「カメラは品質検査において必須になってきています。今後、検査装置のない会社は仕事がもらえない時代がくるのではないでしょうか」と川嶋副部長は語る。こうした危機感からも、今後、2台の印刷機(菊全6色両面機/菊全4色両面機)への検査装置の設置を予定している。これにより、本社工場にある全印刷機への検査装置導入が完了し、高いレベルでの品質管理体制が標準化されることとなる。

 

現在、同社では、不良品を社外には出さない『社内発見100%』に取り組んでいる。印刷工場では連日、数万枚という単位で印刷が行われるため、不良品が出ても、印刷オペレーターにとっては「10万枚のうちの1枚」となる。しかし、印刷物を受け取るエンドユーザーにとっては「たった1枚」の印刷物であり、その「たった1枚」が不良品であってはならない。だかこそ「社内発見100%」が重要であり、実現するためにも「意識改革が必要なのです」と語る。「生産現場では、生産性の向上と、品質の向上という2つの側面からの要求が強くなっており、オペレーターに対しての負荷が高くなっているのも事実です」と言う瀬高工場長。しかし、顧客からの要望を知ってもらい、意識改善に働きかけていくことも必要なのだという。

 

また検査装置が全てを発見してくれるわけではなく、人の目でしか分からないこともある。そして、検査装置があるがゆえに人は油断することもある。そのため目で見ること、検査装置の反応が出た時には必ず確認するなどの習慣づけも必要だと川嶋副部長は指摘する。「検査装置を設定するのも、使うのも、確認するのも人です。やはり最後は人がポイントだと思います」と語っている。

 

【株式会社文星閣】

本社工場:東京都大田区昭和島1-5-32