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【検査特集】丸金印刷 枚葉印刷検査装置で全数検査、検査システムと人が補完し合う

2021.5.31

医薬品・化粧品等の紙器印刷・加工をはじめ、シール・ラベル・能書・説明書の印刷・加工で知られる丸金印刷株式会社は、広瀬鉄工のオフライン枚葉印刷検査装置を4台設置し、印刷物の全数検査を行っている。

 

同社のメイン業務である医薬品のパッケージ製造は、薬機法で厳しく表現が定められており、法に準じた印刷が求められている。そのため、印刷不良による小さな汚れや白ヌケなどは許されない。一方、印刷工程は紙粉などによる不良が出やすいという実態がある。枚葉印刷検査装置を導入する前は、目視による検査を行っていたが、目視だけでは検査精度に限界があるほか、人への負担も大きいことが課題だった。そこで、枚葉印刷検査装置の導入に踏み切っている。

 

丸金印刷のコーター兼用の枚葉印刷機検査装置

丸金印刷のコーター兼用の枚葉印刷機検査装置

同社が枚葉印刷検査装置を導入したのは2003年。これにより、高精度の検査を大量に行う体制を構築した。導入当初は、検査装置が1台だったため、全数検査を必須とする印刷物用として活用していた。しかし、全数検査をする印刷物と、しない印刷物と分けることに疑問を覚え、無地の製品以外、全ての印刷物の品質管理をクリアにしていくことを決め、枚葉印刷検査装置を増設した。

 

「印刷物には様々な不具合があります。その不具合を発見していくことが重要です。そのための全数検査という業務において枚葉印刷検査装置は重要なシステムです。特に、医薬品関係の印刷物の表示は、その商品にとって重要な要素です。そのため印刷の〝異常品〟を社外に出さないことが大切であり、枚葉印刷検査装置を活用した刷本検査を徹底しているのです」と同社の日暮靖常務は解説する。品質検査は利益を生む業務ではないものの、顧客との信頼関係を構築するツールであり、次の仕事へ繋ぐ要素を担っている。「今では、枚葉印刷検査装置がないと大変です」と語る。

 

4台の枚葉印刷検査装置は、幕張工場と2016年に竣工した市原工場の2工場に2台ずつ設置。中でも幕張工場の1台は、水性ニスのコーター機として導入した機械を検査装置との兼用機に改良したもの。

 

広瀬鉄工の枚葉印刷検査装置は、枚葉印刷タイプなので咥え尻のバタつきなどがないことから精度の高い品質検査を確実に行える。用紙はすべてグリッパーで搬送され、検査部分では胴シリンダーに巻き付けられ、カメラで検査を行う。蛇行、浮き上がり、ベルトの劣化などの誤検知・過検知による検査ミスをなくしている。また搭載しているダックエンジニアリング製カメラにより精密検査を実現。カメラの機能を活かした品質管理ノウハウは、丸金印刷の強みとなっている。4台の枚葉印刷検査装置のカメラは、性能の進化に応じて常にバージョンアップを図っている。そのため、4台とも均一の検査品質で統一されているのも特長となっている。

 

丸金印刷では、品質検査において検査システムだけに頼っているわけではない。カメラを使った全数検査に加え、目視でも確認。システムと人の力を合わせることで、互いの行き届かない点を補完し合う検査体制が構築されている。

 

高い検査品質を維持するために、工程毎に良い物を作るという意識も大切にしている。「工程には印刷だけでなく、打ち抜き、貼り加工など各工程があり、各担当者は、次の工程をお客様だと思い、良い物を供給する。不良品が出た時にはきちんと伝えていく。それが品質管理につながると思います」。日暮氏は、製造に関するクレームも、外部からと社内からの2つがあると表現する。同社では各工程から上がってくる〝印刷異常〟を見つけた社内クレームが圧倒的に多い。それは、社内で不良を発見できている証拠であり、それによって製造の改善策を講じることができ、外部へ不良品を出すことを防止している。「最近では各部署で良い物を創ろうという意識が高まっており、改善作業も進んでいます」と言う。同社が1ジョブで製造する平均枚数は4,000~5,000枚に上るが、特に最近はジェネリック医薬品の増加により仕事量が増えている。今後もますます仕事の件数が多くなることが予測され、品質管理の精度を維持することの重要性が高まっている。

 

【丸金印刷㈱】

幕張工場:千葉市花見川区幕張町4-54 4-3

市原工場:市原市うるいど南5-2-9