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【印刷通販BOOK2020】ニュープリンティング調べ 多様な印刷サービスが求められている

2020.12.6

時代に応じた対応力で、市場を広げる印刷通販サイト

 

ニュープリンティングは、月刊誌11月号で特別企画「印刷通販BOOK2020」を制作するのに併せて、印刷会社における印刷通販サービスの利用に関するアンケート調査を行った。その結果、回答企業のうち印刷通販サービスを利用したことがある企業は66.7%となり、昨年より微減した。
印刷通販サービスで利用したことがあるメニューについては、1位が「チラシ・フラヤー」、2位は「ポスター・サイン・POP類」、3位が「パンフ・カタログ、小冊子類」と、これまでの順位と変わらないが、チラシ類は前年より減少した。その一方、ポスター・サイン関係や冊子類は増加しており、自社にない設備を印刷通販サービスに求める傾向が感じられる。
なお今回は、新型コロナウイルス感染拡大が生産現場へ影響しているかについても伺った。8割の企業が影響を受けたと回答。特に、イベント等の中止や顧客企業への影響などの反動も理由に挙がっている。アンケート調査結果を紹介する。

 

自社設備と使い分けた利用進む

 

印刷会社における印刷通販サービスの利用実態についてアンケートを行った。回答した企業規模は「1~9人」が17.8%、「10~29人」が31.1%、「30~49人」が11.1%、「50~99人」が22.2%、「100人以上」が8.9%の割合だった(無回答8.9%)。50人未満の中小規模事業者が半数以上を占める状況は変わらず続いているが、年々、割合が減っている。その一方で、100人以上の企業においても、印刷通販サービスサイト利用している企業が一定数ある。
印刷通販サービスを利用したことがあるかどうかについては、「利用したことがある企業」は66.7%、「利用したことがない企業」は33.3%となり、昨年と比較して利用したことがある企業が1ポイント減少した。
また、社内にオフセット印刷機・デジタル印刷機などの印刷設備を持っているかどうかについては、「持っている」企業は80.0%、「持っていない」企業は8.9%だった(無回答11.1%)。これらのことから、企業規模や設備の有り無しにかかわらず、印刷通販サービスを活用する傾向が定着化していることがうかがえる。

 

総合型の通販サイトの利用度が高い

 

アンケート_01

印刷通販の利用のありなし

利用した印刷通販サイトについては、「総合型の通販サイトを利用」した企業の割合が最も高く56.7%で半数を上回る。一方、「専門特化したサイト」を利用した企業は23.3%で前年より10ポイント以上増加した。「両方のサイトを使い分けて利用する」企業は16.7%である。最近、増加傾向にあるアルバム、ハガキ、DM、クリアファイルなど専門特化した印刷通販サービスは、専門分野においてはサービスも充実している傾向がある。こうした専門的なサイトが増加していることに比例して、利用が増えているとも受け取れる。
印刷通販サイトを利用している企業に、利用頻度については、最も多かった回答が前年同様に「必要に迫られたら利用する」で36.7%だった。次いで多かったのが「自社の設備と使い分けて活用する」の33.3%。この2つが圧倒的に多い。そのほかは、「定期的に、内容によって分けて利用」16.7%や、「頻繁に活用している」という企業も10.0%ある。
加えて、印刷通販サービスを利用した理由については、「価格への対応」が70.0%で一番多い回答だったが、昨年より5ポイント減少している。価格だけではない価値を求める利用が進んでいるようだ。

アンケート_02

印刷通販サービスを利用した理由

次いで多かったのが、「自社にない印刷サービスがある」56.7%で、前年(33.3%)と比較すると大幅に増加した。このことから、多様な印刷サービスを求める声が増加していたり、戦略として多様化を進めていることが伺える。こうしたニーズへ対応する手段として、印刷通販サービスをコラボレーション先として活用しているといえる。
なお、「発注しやすいから」は20.0%で昨年より7.5ポイント増加しているが、「小ロット印刷対応のため」「大ロット印刷対応のため」あるいは「見積りが簡単にできた」という回答は前年よりも減少している。「その他」の中には、「品質」「自社より利益が得られるため」という回答が寄せられた。

 

カタログ・冊子類が増加へ

 

印刷通販サービスで発注した内容については、最も多かったのが「チラシ・フライヤー」の66.7%である。依然として人気の高いメニューではあるが、前年(87.5%)と比較すると大きく後退した。一方、2位の「ポスター・サイン・POP類」は46.7%で前年より9.2ポイント増、3番目に多かった「パンフ・カタログ・小冊子類」33.3%も前年より8.3%増加した。
印刷通販サービスの定番メニューである「チラシ」だけではなく、ポスターやサイン、冊子類などで通販サイトを利用する企業が増加している。これらの印刷物製造には、ポスター類であれば大判の出力機が必要であり、冊子類であれば後加工機が必要であるなど、一定の設備が求められる。自社にはない設備が必要な案件に関して積極的に活用していることがうかがえる。
なお、定番メニューの一つである「名刺」は13.3%、「ハガキ・DM」も26.7%と、ともに前年より減少している(2019年:名刺は16.7%、ハガキ・DMは29.2%)。コロナ禍も減少要因の一つと思われる。しかし、大幅な減少までには至っていないのは印刷通販サービスを利用する各社の営業努力も感じられる。一方、印刷会社にとって労働時間の問題で社内では対応しきれない状況にあることも推察できる。
その他の発注内容としては、「パンフレット」「クリアファイル」「ICカード印刷」「選挙ポスター」などで利用したという回答もあった。

 

簡単・安さ・品質に評価

 

アンケート_03

印刷通販サービスを利用した感想

印刷通販サービスを利用した企業に、満足度についても聞いた。
それによると、「大変満足している」23.3%で前年(8.3%)より大幅に増加。なお「満足している」(36.7%)と合わせると、満足している回答が6割となった。気になるのは、「やや不満」が6.7%で、こちらも前年(4.2%)より増加している。
前年に引き続き、カスタマーサポートに対する満足度についても聞いた。すると、「満足」とした企業は20.0%、「普通」が63.3%。一方、「不満足」の人は10.0%で、前年より6.7ポイント減少した。
印刷通販サービスを利用した感想として、最も多かったのが「簡単に発注できた・頼みやすい」(53.3%)で、昨年より3.3ポイント増加した。次いで多かったのが「価格が安いと感じた」(36.7%)、「思ったよりも品質が良かった」(33.3%)と続く。この上位3つは昨年も同様で、印刷通販サービスの強みである「安さ」だけでなく、「簡単に発注できる」「安定した品質」など、各通販サイトが目指しているサービスの在り方が反映されている。
なお、「ホームページが解りにくい」6.7%、「品質が悪かった」も10.0%あり、いずれも前年よりポイントが増加している。利用企業の増加に比例してポイントが増えたとも考えらえるが、改善課題はまだ残っているようである。
その他に寄せられている利用した感想に、「価格優先ではない、短納期への対応も可。オプションや後加工の制限が多い印象(あまり無理が効かない)」などが寄せられている。
アンケート回答企業全体のWebを活用したサービスの実態についても聞いている。それによると、自社でWeb to
PrintなどITを活用した印刷受注サービスを行っている企業の割合は31.1%で前年より1.8ポイント増加した。「行っていない」企業は66.7%でデジタル化が進んでいない。
ITを活用したサービスを行っている企業が、同システムを提供している先は、「企業向け」のみが50.0%で前年より8.3ポイント増加した。「個人向け」のみは14.3%で前年(25.0%)より大きく減少。企業と個人の両方で対応している企業は35.7%で微増した。

 

経営に打撃与えた“コロナ禍”

 

今回のアンケートでは、新型コロナウイルス感染拡大の生産現場に対する影響についても伺った。それによると、「影響している」という回答は80.0%と大半を占めたが、「影響していない」と回答する企業も15.5%あった。全体的には影響を受けており、特にイベントの中止や、顧客企業が影響を受けて仕事が動かなくなったということも発注した。

 

印刷通販サイトと共存共栄

 

最近の印刷通販サービスと印刷ビジネスの関係性についても伺った。その結果、「印刷通販サイトの料金が印刷価格に影響している」が最も多く68.9%に上った。続いて多かったのが、「印刷通販サイトが一般に知られるようになったと感じる」の62.2%で、この2つの意見が圧倒的に多い。
次に多いのが「印刷通販に市場を取られていると思う」42.2%で、印刷通販サイトが知られ、通販サイトを利用する企業が増えても、印刷物の市場価格への影響は、今も不安材料となっている。