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野崎印刷紙業 クレームゼロ達成に向けてKOMORIのPQA‐S V5をレトロフィット

2020.8.24

PQA-S V5を導入したリスロンS40は、作業効率の向上だけでなく、不良品の原因追求や予防対策にも貢献している。

PQA-S V5を導入したリスロンS40は、作業効率の向上だけでなく、不良品の原因追求や予防対策にも貢献している。

「印刷・情報・包装の各事業を通じ、ひとりひとりの挑戦を大切にし、お客様の要望に+αで応えることで小さな感動を提供いたします」

創業150年を機に野崎印刷紙業株式会社(京都府京都市)が策定した企業理念だ。+αで感動を与えるには、その基礎として品質が高いことが不可欠である。

同社では500枚に1枚を抜いて、色調や異物・インキカス、紙むけ、黒点、見当などをチェックする「500枚検査」を実施。さらに500枚検査後に、部門チーフが抜き取り検査し、工務のチェック、工場長のチェック、出荷前のチェックを通過したものを納品していた。それでも不良の指摘がゼロになることがなく、『クレームゼロ運動』に取り組むに当たり、クレームの原因を調査。その結果、設備や材料よりも人的なミスが多く、作業を機械化することでオペレーターの負担を軽減すれば改善することが判明した。

導入した品質検査装置『PQA‐S V5』は、主力である食品パッケージをメインに印刷するリスロンS40(菊全判6色オフセット枚葉印刷機)に、レトロフィットで搭載。PQA‐S V5はインラインでのシステムで全数検査を行う。導入後、半年間で目標のクレームゼロは進んでいった。

成果の一つが品質不良品の外部流出がゼロになったこと。顧客からも製品品質の安定性について評価されるようになった。2つ目が印刷部門で確実に品質不良品を取り除くことができるようになり、二次工程の作業効率が格段に向上。3つ目は抽出した品質不良品を即座に検証できることで、品質不良品を出さない工程管理への対策が講じられるようになった。

PQA‐S V5は、印刷品質を検査するシステムだが、不良品が発生する原因追求にも効果を上げている。印刷現場を指揮する財木係長は「従来の目視では見つけられなかったものも確実に検知します」と、検査精度を高く評価。また「500枚検査も続けていますが、PQA‐S V5の導入により、従来見つけられなかった不具合を見つけられるようになりました。オペレーターの意識も変わり、さまざまなことを想定しながら集中して印刷物を見る余裕が生まれたと思います」という。

 

 2つのオプション機能で品質安定化と業務効率化

 

同社ではさらに、2月に「マスク自動作成ソフト」と「色調制御機能」をオプションで追加した。マスク自動作成ソフトについて、財木係長は「パッケージは型があり、余白のいらない部分は処分します。普通は紙全体を検査しますが、必要な範囲に絞り込んでマスクをかけることにより、非常に効率の良い検査が可能となっています」と、ブランクス単位で品質管理ができるマスク機能の有用性を語る。色調制御機能についての評価は「試刷りをして、OKシートをマスター登録することで、濃度が上がれば下げてくれるし、下がれば上げてくれる。自動で色調をコントロールするので、最初から最後まで安定した品質・色調で印刷できます。具体的には、立ち上げ時間の削減、試刷り回数の低減、損紙の低減などに効果が出ています」

また、2つのオプションは共に、マスター登録しておけば、リピート時に登録情報を呼び出して利用できる機能を持つ。「スタートまでの時間を短縮でき、非常に効率の良い作業ができるようになりました」と財木係長は、利便性の高さにも触れている。

同社では、これまでにKP‐コネクトも導入し、リスロンS44とリスロンS44をつないでいる。稼働率や損紙、停止回数を中心に見ており、作業日報とKP―コネクトを併用して効率改善に役立てている。東北工場(宮城県柴田郡川崎町)の印刷機にもつなげており、両工場の稼働状況を見て、工場長同士で連絡を取り、互いに状況やノウハウを共有している。PQA‐S V5が効果を上げたことで、今後は他機への拡大を検討。品質検査装置の導入により、クレームゼロをさらに推進していく。