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小山オフセット印刷所 アイマー・プランニングのIPCシステム導入で成果大

2019.7.9

株式会社小山オフセット印刷所の小山正社長

株式会社小山オフセット印刷所の小山正社長

広島県福山市で明治45年に創業し、100年を超える歴史を持つ株式会社小山オフセット印刷所(小山正社長)が、ものづくり補助金制度を活用してアイマー・プランニングのインキ供給量自動制御システム「IPCシステム」を導入し、大きな効果を上げている。

同社は、2019年1月に既設18年の三菱重工製菊全判2色両面印刷機DAIYA300RにIPCシステムを搭載し、インキ供給量調整の自動化を実現した。小山社長は「IPCシステムの導入によりCIP3データに基づいた印刷で刷り出しの濃度調整の回数が減った。品質管理とコスト削減を達成し、同人誌印刷市場の拡大に貢献している」と導入の成果を述べている。

 

 

18年既設機に搭載で生産改革、高品質・安定品質へ

歴史を感じさせる小山オフセット印刷所の社屋

歴史を感じさせる小山オフセット印刷所の社屋

小山オフセット印刷所は、明治45年創業以来、地元福山市に根ざした総合印刷会社として歩んできた。小山正社長は3代目で、従業員数は約25人。蓄積された技術力ときめ細かなサービスにより、地元自治体、企業、大学など多くの顧客から信頼を得ている。

本社工場には企画・デザインにはじまりSCREENのCTPシステム、コダック社の無処理版、印刷機はIPCシステム搭載の三菱重工製菊全判2色両面兼用機DAIYA300R、KOMORIのH-UV搭載A全判4色機、リョービMHIのB2判4色機、製本機がスタールの折機、尾﨏製作所の中綴機、ホリゾンの無線綴機など印刷から製本まで一貫設備を持ち、短納期ニーズに対応している。

 

アイマー・プランニングのIPCシステムの導入は、モノクロ・2色印刷の高品質と生産効率の追求がきっかけだった。同社は8年前に「同人誌印刷ドットコム」を開設し同人誌市場に参入し、高品質と短納期で受注を伸ばしてきた。小山社長は「同人誌の作家は最高の品質を求め、品質に厳しい。菊全判印刷機の品質管理という課題を解決したかった。アイマー・プランニングのIPCは求めていた品質管理と生産の効率化にぴったりだった。ものづくり補助金を活用して導入するために、モトヤさんにコンサルタントを依頼し、平成29年度補正のものづくり・商業・サービス経営力向上支援で採択された」と導入の経緯を述べる。

既設のDAIYA300RにIPCシステム搭載

既設のDAIYA300RにIPCシステム搭載

2019年1月、三菱重工製菊全判2色両面印刷機DAIYA300RにIPCシステムを後付搭載した。既設18年となる菊全判印刷機は、刷版絵柄面積読み取り装置のDEMIAでスキャンしたデータをフロッピーディスクから印刷部に受け渡す方式をとっていた。しかし、あまり正確なツボ量ではなかった。刷版も多くの版を一度に製作する時に現像ムラで不安定になる。インキキーの渋りやモーターのメンテナンス修理代も負担になっていた。そのために品質のばらつきが起き、度々0点調整をしなければならず、印刷濃度が合うまで何度も試刷りを行っていた。

 

 

印刷濃度管理が容易に、試刷も大幅に削減

 

分割されたダクターローラー

分割されたダクターローラー

「IPCシステムは、これらの問題を解決した」と小山社長。IPCシステムは、極小のインキツボ隙間開閉をコントロールするインキ供給方式とは異なる。インキツボの隙間を一定に保ち、分割された呼出ローラーがインキツボローラーへ接触する長さをCIP3データに基づいてコントロールすることでインキ量を調整する特許技術である。

小山社長は、「分割されたダクターローラーの計算された動きは必要以上にインキ供給が無いことで水を絞ることが出来、印刷の絵柄に合わせて正確なインキ量を供給する。面内ムラや濃度ムラの調整の回数が減った分、オペレーターのストレスは解消され、機械の停止回数や時間・損紙・ブランケットの洗浄回数が削減された」と効果を述べている。

インキの安定供給が実現(IPCシステムの管理画面)

インキの安定供給が実現(IPCシステムの管理画面)

同社はIPCシステムの導入にあたり、導入している印刷会社を見学しテストも実施、その効果を実感。大手印刷会社が本機よりもさらに年数の古い三菱重工製の印刷機に導入した実績も参考にした。また後付のため印刷機械とのマッチングを心配したが、「印刷機械メーカーのサービスの方がフォローしてくれた。モノクロ、2色印刷の印刷濃度管理は導入後に一変した。写真と文字が混在する印刷物は試刷りを多い場合5回ほど行っていたが、今は多くても3回になった。最初の刷り出しに関しては30%削減されたのではないか」と小山社長。同人誌作家からも「喜ばれている」という。

IPCシステムは環境対応という持続可能な社会的役割を果たすという同社の方向とも一致した。同社は刷版を全てコダック社の無処理版SONORAを5年前から使用している。IPCシステムは製版データからインキ量データを作成することができるので、本機も無処理版に切り替えることができ、全ての現像処理が不要になった。「環境とコスト削減という二つのメリットも得ることが出来た」という。

アイマー・プランニングの井爪大策社長は「IPCは極小絵柄や偏重絵柄であっても最適なインキ供給を行うことが出来る。小山オフセット印刷所様のように既設の印刷機械に取り付けるメリットをさらに追及していきたい」と述べている。

 

 

ものづくり補助金を活用、モトヤがサポート

 

IPCシステムの導入にあたり、小山オフセット印刷所が採択されたものづくり補助金について、機材商社のモトヤがサポートした。

モトヤの小林正人常務(中小企業診断士)は、「モトヤはものづくり補助金で400件超の採択を支援してきた。これは当社の営業が顧客の特徴を把握してサポートしている点が採択につながっていて、毎年100件以上が採択されている」と実績を述べる。小山オフセット印刷所をサポートした姫路モトヤ稲田透営業部次長は「顧客の特徴を知ってサポートすることが大切」と語る。小山オフセット印刷所の小山社長は「どこをアピールするかというポイントを把握されている」と評価を寄せている。