ユポ・コーポレーション ヤマハ、小林理学研究所とエレクトリック・アコースティックギター向けコンタクトセンサーを共同開発

( 『FGX5』190,000円(税抜)トラッドウェスタンタイプ)
( 『FGX5』190,000円(税抜)トラッドウェスタンタイプ)

ユポ・コーポレーションは、ヤマハおよび小林理学研究所との3社共同で、 合成紙ユポを使用したエレクトリック・アコースティックギター向け コンタクトセンサーを開発した。同製品は、5月25日に新製品としてヤマハより発売される、 アコースティックギター「FG/FS Red Label(レッドレーベル)シリーズ」の エレクトリック・アコースティックギターモデル「FGX/FSX」に採用される。

エレクトリック・アコースティックギターは、アコースティックギターに「ピックアップ」という、弦の振動と音を拾う装置を内蔵することによって、エレクトリックギターのようにアンプに繋いで大きな音を出すことができるギター。

共同開発したコンタクトセンサーは、弦や本体の振動を電気信号に変換する圧電素子に、新しく開発した「圧電特性を有するユポ」を使用している。薄くて柔らかい素材特性を持つユポを使用することで、同センサーは、セラミックを圧電素子とした従来のセンサーと比べて、高感度かつ広帯再現性を持ち、ギターの演奏で生じる楽器本体の振動をより忠実に電気信号へと変換できるようになった。

コンタクトセンサーにおいて、ユポが圧電素子として機能するイメージ図
コンタクトセンサーにおいて、ユポが圧電素子として機能するイメージ図

同センサーをピックアップとして搭載したエレクトリック・アコースティックギターは、従来のピックアップでは拾いきれなかったサウンドホールから出る弦振動のまとまり、一弦ごとの余韻、フィンガリング時のタッチ感、高音域の倍音成分によってもたらされる空気感や繊細な音を再現し、アコースティックギターを生音で弾いている時の感覚を呼び起こす。

ユポ・コーポレーションは、長年の研究開発で培った「空孔制御技術」により、ミクロボイドの形状・配置を最適化し、かつ特殊な帯電工程を経ることでミクロボイド壁面が帯電し、ユポが薄くてやわらかく、かつ耐久性を持つ集音感度の高い圧電素子となることを見出した。

その後、ヤマハ、小林理研とで実用化に向けた共同研究開発を2013年より開始し、今回の開発に至っている。今後、同社は、ユポの圧電特性の研究開発を継続し、新たな圧電センサーへの応用も検討していく。

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