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ハイデルベルグ社 独・ドレスデンの印刷通販大手ザクトプリント社が新しいラージフォーマット印刷機を導入

2019.3.22

ザクソプリント社において、パッケージングは成長分野

ザクソプリント社において、パッケージングは成長分野

ドイツ・ドレスデンにある印刷通販大手のザクソプリント社は、ハイデルベルグ社の新しいラージフォーマット印刷機「スピードマスターXL162」(8色機)を導入した。

 

ザクソプリント社は、1999年に22人の従業員で設立した企業で、同社の印刷通販『meindruckportal.de』は2006年からスタート。2012年以来は、オルデンバーグにあるCEWE Stiftung & Co. KGaAの一部となっている。現在、同社はドレスデンの拠点に550人の従業員を抱え、昨年にはドイツ商工会議所から優れた研修制度を有する企業に与えられる賞を贈られている。また近年は、売上において2桁成長を遂げ、製品レンジにおいて大きな変化をみせている。チラシ、ポスター、カタログは、現在も主要なビジネスとして売上の80%を占めているが、パッケージングと後工程が大きな成長分野となっている。

印刷通販大手のザクソプリント社のビジネスモデルでは、受注した仕事をギャンギングでバンドルしている

印刷通販大手のザクソプリント社のビジネスモデルでは、受注した仕事をギャンギングでバンドルしている

 

同社のマネージングディレクターのクラウス・ザウアー氏は、「私たちのビジネスモデルは、コストリーダーシップをベースにしています」と説明しており、Webショップで受注した仕事を特別なアルゴリズムを使って処理し、ギャンギングの手法により、各機械に振り分けている。「お客様にとっては魅力的な価格と同様に、納品の信頼性やスピードも重要です」と言う。ザクソプリント社には、個人、企業、エージェンシー、小売店など、ヨーロッパ全域の様々な顧客から注文が入る。また同社によると、見積をその場で回答する率は98%に上る。そうすることでリピート率は80%以上に達している。

ザクソプリント社では高い効率性とスピードが重要であるという。毎日最大5,000件のオーダーを3シフトで生産しているが、インダストリアルなプロセスと先進的な装置を使う事でのみ可能になる。これを念頭に同社は過去7年の間に新しいソリューションに7,000万ユーロを超える投資をしてきた。

 

導入した最新設備は、全長50m、反転機構とロールシーター、カットスターを搭載した「スピードマスターXL162」の8色印刷機。50㎝×70㎝や、70㎝×100㎝のサイズでは、すでに何年にも亘ってハイデルベルグが提供してきたカットスターだが、同サイズでは世界初のカットスターとなる。7Bフォーマットの用紙、もしくはロール紙の使用において、高い柔軟性がもたらされる。中でも準備時間を大きく軽減できる。

ザクソプリント社の工場では2台のスピードマスターXL106と、6台のラージフォーマット印刷機が稼働している

ザクソプリント社の工場では2台のスピードマスターXL106と、6台のラージフォーマット印刷機が稼働している

現在、ザクソプリント社は、ハイデルベルグの印刷機8台、36ユニットを所有。5台のラージフォーマットのスピードマスターXL162、1台のスピードマスターXL145、そしてカットスターが搭載された2台のスピードマスターXL106である。新たに導入されたカットスター付スピードマスターXL162は、ハイデルベルグとBWペーパーシステムシュトゥットガルト社により2年を費やし開発された。

安定稼働中の中断と同様、少ない準備時間と停止回数は、ザクソプリント社の新しいスピードマスターXL162の生産性を約2倍に高めている。カットスターのカッティングパフォーマンスは、通常の用紙よりも優れた公差0.3㎜以下で、カットされ印刷された用紙を、後加工にすぐに持っていけることを意味する。

紙揃えのために振動を加えるというような以前のステップは必要ない。またデリバリにあるダブルグリッパーテクノロジーにより、フロント、リアエッジガイドにあるコントロールガイドが最後の印刷ユニットからデリバリパイルへ用紙を確実にガイドする。これらのイノベーションにより、シートブレーキと、非印刷部分が必要だったことが過去の遺物とな、この部分を印刷エリアとして使うことができるようになる。

「私たちは、イノベーションと効率を上げることで用紙代10%の値上げを吸収することに成功しました。用紙コストは私たちのコストの中で最大30%を占めるためとても重要なのです」と、クラウス・ザウアー氏は語る。さらにロール紙は、カットされた用紙と比較し6%も安いことから、「カットスターの開発は、本当に偉大な成果です」としている。3年間の統合プロジェクトは現在も進んでいる。

 

ザクソプリント社のポストプレスエリアには、ハイデルベルグのスタールフォルダーが所狭しと並んでいる

ザクソプリント社のポストプレスエリアには、ハイデルベルグのスタールフォルダーが所狭しと並んでいる

同社のプリプレスエリアには、新しいラージフォーマットのスープラセッターが導入されており、ポストプレスエリアはスタールフォルダーマシンが並んでいる。新しいスピードマスターXL162の導入に伴い、最後の競合機が今年入れ替えられた。「ハイデルベルグの機械は、高いレベルの自動化と使いやすさに加え、高度な技術が使われています。スピードマスターXL106の準備時間は、安定して2分以下です。」とザウアー氏は説明する。ヤレ紙は、20枚から40枚で、環境に配慮した生産を重視している同社に最適で、ザウアー氏によるとCO2排出量は最近劇的に減少したと言う。ザクソプリント社の10%を超える顧客先は、環境に負荷をかけることのないクライメートニュートラルな印刷物を注文する。

また同社は、ザクソプリントイージーボックスのようなパッケージ分野にもビジネスを拡大している。この革新的な製品によって、幅広い種類のパッケージが3Dデザイナーにおいて自在に選択でき、オンラインで簡単にカスタマイズし注文することができる。ターゲットグループは、カスタマイズしたパッケージによって製品訴求力の強化を求める顧客で、魅力的な価格、そしてロットの大小への対応は既存のビジネスと変わりはないという。「長期で成功するため、私たちは何をするべきかを理解しています」と、ザウアー氏は述べている。