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IDTechEx社 3Dプリントやプリンテッドエレクトロニクス等の先端技術から新たな市場の可能性

2019.1.11

IDTechEx社は、同社主催イベント「IDTechEx Show」における同社CEOのRaghu Das氏によるオープニングプレゼンテーションの概要『先端技術ハイライト』を発表している。

 

同イベントは、昨年11月にサンタクララ(米国カリフォルニア州)で開催され、42ヵ国、約3,500人が参加し、284社が出展した。会場では8つの主要技術(3Dプリンティング、電気自動車:EV、エナジーストレージ、グラフェン、IoT、プリンテッドエレクトロニクス、センサーそしてウエアラブル)をテーマに、その活用を推進する企業が集結。加えて、共同開催イベントには計275人のスピーカーが登壇し、バリューチェーン全体を包括する発表が行われた。

イベントの中で取り上げられた大きなテーマは「電子・電気機器の新フォームファクタ(例: フレキシブルとストレッチャブルを兼ね備えたデバイス)によって実現できる非常に新しく自由度の高いデザイン」、「loT、センサー、ウェアラブルといった形で一層普及が進むエレクトロニクスやコネクティビティ」「加速する自動車の電化とそれによってもたらされる可能性」など。ショーでは新たに改良された機能的素材や多くの製造イノベーションも登場した。

プリンテッド、フレキシブル、有機エレクトロニクスのハイライト

プリンテッド、フレキシブル、有機エレクトロニクスのハイライト

 

(発表されたRaghu Das氏からの抜粋)

◎プリンテッド、フレキシブル、有機エレクトロニクスのハイライト

曲がるディスプレイの商品化は主要な開発の一つであり、Royole社が発表した初の折れ曲がるスマートフォンは2018年12月に発売される予定。JOLED社は、世界初のプリンテッドOLEDディスプレイを発表している。

多くの企業がプリンテッドエレクトロニクス開発に関して自社の進み具合を発表し、ここからこうした企業が単なるコンポーネントプロバイダーからシステムやソリューションのプロバイダーへと変遷を遂げ、バリューチェーンのギャップを埋めようとしていることがうかがえる。

 

◎センサーの主要トレンド

ウエアラブルのブームと課題

ウエアラブルのブームと課題

「小型化」「より多くのアプリケーションへの応用を牽引する技術改良」「新フォームファクタ」というセンサーに関連する3つのトレンドが取り上げられた。

 

◎ウエアラブルについてのブームと変化

過去6年間、ウェアラブル技術分野は非常に大きな成長を遂げた。例えば、スマートウォッチやフィットネストラッカーといった商品の売上高は2013年には10億ドル程度であったのが、2018年には120億ドルを超えるまでになっている。ウェアラブルの多くが、マスマーケットを対象とするヘルスケア技術にフォーカスした結果、一部規制緩和の恩恵もあり電子皮膚パッチは50億ドルもの産業に成長を遂げている。

 

◎電気自動車、そのドラマと可能性

世界各国の政府が電気自動車への移行を推進し、それに応じる形で自動車メーカー各社はこぞって電気自動車を開発してきた。IDTechEx社では内燃エンジンを搭載した自動車の売上は、2022年頃にピークを迎えると見込んでいる。さらに自律運転自動車や政府が推進する自動車シェアリングにより、自動車全体の売上も2030年にピークを迎えると予測している。

こうした一連の流れを受けて新たな可能性が大きく広がっている。つまり新しい素材(熱伝導素材であるサーマルインターフェースマテリアルや軽量化したストラクチャルエレクトロニクス)や部品(センサーやコネクティビティ)を使って電気シェアードカーのような新しいタイプの自動車を完成させるという可能性もその一つである。

 

◎機能性の高い素材開発

素材の高度化によって実現された様々な新しい機能に焦点が当てられた。例えば、5Gのような新しいトレンドは高周波の使用によりEMI(電磁波)シールド素材に新しい可能性をもたらしている。伸縮性伝導素材・基質は成長が著しいeテキスタイル分野の一部であり、2028年には20億ドル以上の規模の市場が作り出されることになると予測される。

各種素材に加えて、グラフェンの応用についても詳細に取り上げられた。今や世界全体では十分なグラフェンの生産能力があり、サプライヤー各社はリアルな実需のある短期市場に注力している。価格が下落していることもあり、高い商業的な関心が向けられている。

 

製造イノベーション

製造イノベーション

◎製造イノベーション

3Dプリンティング素材は高い成長を示す、市場価値の大部分を占めている。例えば高温熱可塑性樹脂は、2023年までのCAGR (年平均成長率)が55%と、3Dプリントポリマーの分野において最速で成長を遂げている素材である。

また3Dエレクトロニクスを実現するプロセスは他にもある。「軽量」「省スペース」「より簡単にデザインのカスタマイズが可能」といった利点をはじめ、デザインに大きな自由度をもたらしている。こうしたイノベーションは製品のデザインに極めて大きな新しい可能性をもたらす。

 

なお、IDTechExは2019年4月10-11日に次の「IDTechEx Show! 」を独・ベルリンで開催する。次回のアメリカ開催は、2019年11月20-21日にカリフォルニア州のサンタクララコンベンションセンターで開催する。

*同レポートの詳細はIDTecExサイトから