印刷博物館 P&Pギャラリーで「進化するデジタル印刷」展開催

凸版印刷の印刷博物館(東京都文京区)は、館内にあるP&Pギャラリーで3月24日から6月10日まで、企画展「進化するデジタル印刷-オンデマンド出版からバリアブル印刷まで―」を開催している。デジタル印刷機を活用した様々な印刷見本が並び、デジタル印刷ビジネスの最前線を紹介する内容となっている。

挨拶する電子出版制作・流通協議会の浴野氏
挨拶する電子出版制作・流通協議会の浴野氏
レセプションで挨拶する印刷博物館の樺山館長
レセプションで挨拶する印刷博物館の樺山館長

企画展の開催に先立ち、3月23日、午後6時から内覧会が行われ、今回の企画展に協賛したメーカー企業や業界関係者らが多数駆けつけた。午後6時30分から行われたレセプションで、樺山館長は「いつもとは異なる雰囲気の企画展になっている。これから印刷はどうなるのか、活字はなくなるのかと危惧していたが、創造とは異なる動きが出てきている。デジタル印刷があちこちの領域へ広がってきたことを感じて頂けると思う。今回、多くの企業にもご協力を頂き、デジタル印刷の最前線で行われていることを、お見せすることができた。今後もデジタル印刷の市場はさらに大きくなっていくと思う」と挨拶した。

凸版印刷・中尾事業部長の乾杯の発声で懇談
凸版印刷・中尾事業部長の乾杯の発声で懇談

続いて共催団体である電子出版制作・流通協議会オンデマンド制作流通部会の浴野氏も挨拶に立ち「ある出版社では、年間出版物の5~7割がデジタル印刷に切り替わっているという話を聞いた。時代はデジタル印刷にある。まだ知らない方に、ここまできていること、これからはデジタル印刷の時代であることを伝えて頂く機会になればいいと思う」と企画展に込める思いを語った。

乾杯の発声では凸版印刷の中尾光弘事業部長が「今後はさらにビッグデータやデジタルマーケティングが関わってくると可能性がさらに広がると期待している」と語り、杯をあげて懇談となった。

オフセット印刷が当たり前だった高精細図録
オフセット印刷が当たり前だった高精細図録

会場で展示されているのは、朝日新聞が発行した速報版にはじめ、美術館・博物館の企画展などで販売される図録、工芸品として販売されている長尺の巻物、パッケージや出版物などの、これまでオフセット印刷で生産されてきた印刷物に限らず、拡大活字本や地域創生のための絵本、パラパラ漫画をデザインしたメモ帳、1冊ずつ異なる内容が反映されたカタログ、パーソナルブックなどデジタル印刷ならではの印刷物も並んだ。

展示された印刷物の背景にはマーケットのニーズがある。消費者嗜好の多様化時代を反映させる最適な印刷物づくりを提案する内容にもなっている。

長尺の絵巻物もデジタル印刷でできる
長尺の絵巻物もデジタル印刷でできる
拡大活字本(上)などは在庫レスが可能なデジタル印刷ならではの印刷物
拡大活字本(上)などは在庫レスが可能なデジタル印刷ならではの印刷物
小ロット冊子の後加工も注目
小ロット冊子の後加工も注目

また入口付近には、デジタル印刷機と後加工機も設置して、小ロット印刷物を可能にする仕組みとして紹介。レセプションでは、実際に小ロットの冊子制作が実演されるなど、注目された。

なお企画展会期中には、デジタル印刷に関するセミナーも開催する。

【進化するデジタル印刷-オンデマンド出版からバリアブル印刷まで―】

会期:3月24日(土)~6月10日(日) *毎週月曜、5月1日休館(4月30日は開館)

場所:東京都文京区水道1-3-3トッパン小石川ビル 電話03-5840-2300

入場料:無料 *印刷博物館・本館は別途入場料が必要

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