電流協 最新の米国出版と印刷・流通をテーマにセミナー

電子出版制作・流通協議会(電流協)は、2月20日、千代田区一番町のJCIIビルで電子出版ビジネスモデル研究会によるオープンセミナーを開催した。講師にデジタルタグボートの辻本英二氏を招き、「最新の米国出版(電子出版)と印刷・流通プラットフォーマーの動向」をテーマに、大手出版社の売上げ内容や流通の変化、著者あるいは書店視点でみたBOD(ブックオンデマンド)への動きなど、最新の出版に関するビジネスモデルの傾向が解説された。

講演する辻本英二氏
講演する辻本英二氏

米国において、出版物の印刷に関しては、初版はデジタル印刷で少部数で制作し、売上に応じてオフセットで大量に印刷、追刷りはデジタル印刷で、というようにデジタルとオフセットを使い分けることで印刷の最適化を図る傾向にあり、教育分野ではデジタル印刷が好まれており、大学の教科書などはPOD化率が高いと報告。一方、物流の分野でも、印刷・製本→取次→小売店・書店という流れから、今では自前で印刷機をもつ流通も台頭し、小売りによる直販、書店がBOD機能で生産するというように変化している。

出版社の中には、世代ごとに最適なメディアを細かく割出し、紙からデジタルまで、それぞれの世代に合った媒体を利用した情報発信に徹している企業も登場しているなど、新たなビジネスモデルを構築している企業も登場している。

こうした変化の中で、AIやVRが出版ビジネスにも影響を及ぼしているほか、グーグルエコーやアマゾンホームなどの登場で音声を使ったコンテンツ検索・コンテンツの提供などの普及など、新たな局面を迎えるのではないかと指摘した。

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