デジタル印刷ビジネスブック 2021 冬

日本製紙連合会の「2020年 紙・板紙内需実績見込み」によるとグラフィック用紙の内需は前年比17.7%減と記録的な落ち込みを見せました。平版インキも同21.7%減で、リーマンショック並みかそれ以上の断崖ができています。新型コロナウイルス感染症の流行が終息に向かうにつれて、反動的な需要回復が見込めるものの、コロナ以前のレベルには戻らないことが推測されます。
これまで私たちの社会は様々な形のリセッションに見舞われてきました。そこに残されたのはイノベーションと需要構造の変化です。今回の経済危機でも同様に社会の変動が予想されてきます。現在、企業や自治体、教育機関は新常態に対応すべくデジタルトランスフォーメーションに着手しており、多くの分野でペーパーレス化が進むものと見られます。
新型コロナウイルスはやがてやってくるだろう印刷需要のさらなる縮小を速めたに過ぎないともいえます。これまで先送りにしてきた従来型のビジネスが通用しなくなるという問題が突如、目の前に突き付けられ、早急な課題解決を迫られている状況といえるでしょう。それはさらなる生産効率の向上だったり、印刷を核にした新しいビジネスモデルの創出だったり、業態そのものの変革だったりします。
一方で、多くのクライアントは印刷業者と同じ課題を抱えています。固定費削減のための業務のアウトソーシング、新規顧客からロイヤルカスタマーを重視したマーケティング施策の転換などのニーズが高まっており、これらは今の時代だからこそ訪れたチャンスと考えられます。
デジタル印刷はクライアントの課題を解決する仕組みや、新しいビジネスの支援体制を構築できる一つのキーです。可変印刷、短いリードタイム、ITとの親和性など、様々な技術を組み合わせることで、クライアントが望む価値を提供できる可能性が大いにあると思われます。
今回のデジタル印刷ビジネスブックでは“to Digital 加速するデジタル印刷”をテーマに、デジタル印刷に取り組む事例や生産改革、新しい付加価値を創出する技術などを紹介致します。
目次
【Market Trends】
ワイドフォーマット&テキスタイルカンファレンス2020 コロナ禍の厳しい市場を切り抜ける大判プリント戦略
富士ゼロックス 新しいデジタル印刷ビジネスの創造へ
【to Digital 加速するデジタル印刷】
ホリゾン・ジャパン 社長 宮﨑 進 氏 ホリゾンの“3つの挑戦”
リコー 5色目にゴールドトナー、シルバートナーを追加
ユニプリント 4色+メタリックカラー、ピンク、ホワイト、クリアで高付加価値印刷
コームラ Iridesse™ Production Pressで会社が変わる
三共社 RICOH Pro C7200Sで一歩先の印刷物製作へ
富沢印刷 描画精度の高さを活かした『コピーガード印刷』
【インクジェット印刷機の現在地】
ネット印刷ITP/遠藤写真工芸所 「JetPress750S」で時代のニーズに応じる
グローバルグラフィックス 超高速処理・品質補正のインクジェットスクリーン
SCREENグラフィックソリューションズ/廣済堂 カタログ印刷のDXを実現
<注目のインクジェット印刷システム>アフィット、リコー、HP、ミヤコシ、富士ゼロックス、富士フイルムデジタルプレス、コニカミノルタ、KOMORI、コダック
グーフ/キヤノンメディカルシステムズ OneFlowにリカバリーモジュールを追加
【デジタル印刷と後加工】
トヨテック 上製本・ハードカバーの自動製本システム
トヨテック 物流に関わる消費材の物流ソリューション
渡辺通商 付加価値を創出する製本加工機
カール事務器 POD商材の加工パターン拡大
デジタル印刷 トピックス コニカミノルタ、キヤノン