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Ferture特集記事

<印刷通販サービス利用ヒアリング調査>
「価格」と「対応力」が選択ポイント

tobira

2015.11.9

ニュープリンティングは、印刷通販BOOK vol.6」で、印刷会社を対象に印刷通販サービス利用に関するヒアリング調査を行った。主に、印刷通販サービスを利用したことがある印刷会社が対象としたが、印刷通販サービスを利用したことがない企業にも意見を伺った。
ヒアリングの結果、印刷通販サービスを利用する印刷会社は、印刷物の内容や目的によって、自社生産か協力企業による生産、印刷通販サービスを利用した生産を使い分けている傾向が表れた。印刷通販サービスに発注する印刷物は主にチラシや名刺。選択ポイントには「価格」を挙げている。ただし、自社生産では生産効率が下がる小ロット印刷や、協力会社でも対応できない場合にも利用するケースが高い。さらに刷り直しで急な対応が必要になった場合にも利用されていた。

一方、印刷通販を利用していない印刷会社は、外注の選択理由に「安心感」を挙げ、顔の見える同業者に発注する蛍光が強い。印刷通販サービスの印象にはWebサイトの解りやすさ(価格や発注方法など)を挙げている。
【A社】地域:東北/主な業務:印刷を主とした販促支援業/従業員数:15名以下
■ A社は、地元エリアを中心に、印刷物の製造にとどまらず、“印刷を主とした販促支援”を展開している。オフセット印刷機・デジタル印刷機を設備しているが、制作する印刷物によって自社の設備と、印刷通販サービスを使い分けている。
■ 印刷通販サービスを利用したきっかけは「価格」。複数の印刷通販サービスサイトを利用しているが、チラシや冊子を発注することが多い。自社生産は、基本的には伝票、封筒、1色印刷に絞っている。
通販サービスの選択ポイントには、「納期」「価格」「商品の種類」の3つを挙げている。発注内容によって、最適な通販サイトを選択している。
■ 厳しく色再現が求められる商材を発注するには難しさを感じている。インターネット上で全てが完結する利便性がある一方、画面上での色確認に限界があることを指摘している。

■ 最近はテレビコマーシャルなどで印刷通販サービスの認識が向上しており、自社の営業戦略に迷いが生じている。現在のところ、デザイン力や表現力で勝負するしかないと考えている。
【B社】地域:関東/主な業務:親会社である印刷会社の営業活動、特化技術を活かした商品開発/従業員数:5名以下
■ B社は、特徴ある技術を持つ印刷会社の子会社。印刷クライアントへの直接営業がメインで、親会社の技術を活かして営業活動や商材開発などを行っている。
■ 営業を主体とした事業組織のため、印刷設備は持っていない。そのため、印刷通販サービスに自社で利用する名刺やチラシ、簡単な営業ツールなどを発注している。約2年前から利用を開始。名刺の場合、年3回位発注し、1回の発注ロットは平均100~200枚程度である。チラシでも100~200枚で、小ロットの印刷物を発注する。
自社の営業ツールについては、A4ペラ・両面カラーで発注することが多い。同社では、親会社が独自に制作した営業ツールと、印刷通販サービスに発注した営業ツールで、顧客先に営業している。
■ 利用している印刷通販サービスのサイトはほぼ2社に限定。主に1社を中心的に活用している。選択したポイントは、何よりも通販サイトが見やすかったことにある。「発注したい選択内容が探しやすいことは通販サイトのポイントになるのではないか」と指摘する。
利用している印刷通販サービスについては、発注に際してデジタル印刷機とオフセット印刷機を選択でき、価格が明記されている安心感があった。また、24時間対応に加えて、メールで進捗状況がこまめに報告される点も評価している。
納期はほぼ「2~3日」を選択。「短納期で対応してくれるところも印刷通販サービスに期待しているところ」という。
■ 印刷通販サービスに発注しにくい印刷物は機密情報が含まれる企画段階の案件。
■  今後、小ロットのパッケージ関連の商材に注目している。顧客に提案する際のサンプルが発注できればより便利になると感じている。
【C社】地域:東京/主な業務:名刺・封筒などの端物や伝票など事務用印刷/従業員数:5名以下
■ C社が強みとしている業務は、名刺や封筒などの端物印刷や伝票類の事務用印刷。その他、顧客から相談のあった印刷物に関しては基本的に対応する。東京という好立地を活かして、自社で生産できない印刷物は、仲間の印刷会社に発注している。社内にはオフセット印刷機、樹脂凸版を使った活版印刷機、デジタル印刷機を設備している。
■ 仲間の印刷会社で対応できない印刷物については印刷通販サービスを利用した。金券類の印刷で、Webで対応できる印刷会社を検索し、価格の安いサービスを選択した。印刷通販サービスの利用にあたって、顧客には「自ら発注できる」ことや、「自分で頼んだほうが安い」ことを伝えたが、先方からは、それでも「お願いします」と依頼を受けて発注した。
■ 利用した通販サイトで用意されているイラストレーターのテンプレートを利用して印刷用データを作成。発注数は数百だったが、安価で簡単な操作だったため、抵抗感がなく利用できた。
■ 印刷通販サイトを見て感じるのは、メニューの複雑さや解りづらさ。同社では紙の種類や商材を限定してもっと明確に価格が判明できれば利便性が上がると指摘している。

 

以下は「印刷通販Book vol.6」でecBook 2015.10