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【技術】ミューラー・マルティニ
ユニット単独駆動のMC技術搭載『アレグロ』
デジタル技術と連携でフィニッシング4.0を実現

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2020.5.21

アレグロ

アレグロ

ミューラー・マルティニのアレグロはMC(モーションコントロール)技術を搭載した無線綴機。ユニット単独駆動のモジュール設計で、JDFや実際に製本する印刷物のサイズや厚みを測るブックデータセンター(BDC)からジョブ情報がアレグロの製本ラインに送られると、丁合機、バインダー、三方断裁機が自動的にセットアップする。例えば、ジョブが完了する前に各装置をオーバーラップしながら次のジョブを段取りすることも可能である。これにより機械停止時間を極力削減して次のジョブに移れる。

導入当初はホットメルト製本で利用し、将来的にPURが必要になった際にユニットを購入することで対応も可能。このため、製本形態の変化に柔軟に対応でき、長期的な投資リスクが抑えられる。ユニットを交換することで、ホットメルト製本とPUR製本もすぐに切り替えられる。また、デジタル印刷対応へのアップグレードも可能。オフラインでの運用をはじめ、必要に応じてデジタル印刷機とインラインで接続することもできる。

操作環境は中央の制御装置でライン全体を監視でき、少人数で操作できるようにした。このほか品質保証としてバーコード認識の乱丁検査ASIR3、AsirCodeを採用。また駆動パーツを単純化したことで保守コストを低減した。

製本速度は最高で毎時7,000回転のモデルを用意。1㎜から65㎜厚の製本に対応したほか、スマートプレスは3つのモーターにより丁合された本身を左右から均等にプレスして、シャープな背加工が得らえる。これもMC技術により可能となった。

アレグロは、ミューラー・マルティニの製本デジタルワークフローのConnexと連携することで、さらにタッチレスとなる。MIS(経営情報システム)からJDFのジョブ情報を受け取ったConnexがアレグロにセットアップを指示するほか、機械の稼動情報を収集し、JMFを生成してMISに生産情報をフィードバックすることも可能。これにより経営分析に必要となる数値が自動的にMISに集積される。

 

究極の小ロット製本

ブックオブワンを実現

 

ミューラー・マルティニが提唱する“フィニッシング4.0”は量産技術を用いながら、自動で多様な印刷製本を低コストで効率的に生産するコンセプト。究極の小ロット“ブックオブワン”を実現する基盤となるもので、可変の印刷製品を低コストで効率的に生産し、カスタマイズされたブックやブローシャ、マガジンを、付加価値をつけながら生産することで競争力を維持することにつながる。

その構成要素は「自動化」、「接続性」、「可変」、「タッチレス」。作業者の関与は最低限で、このためには高度な自動化技術と精密なマシン構造が必須となる。アレグロをはじめとした同社の最新機はそれらを具現化しており、大量生産に限らず、カスタム化、パーソナル化された印刷製品を生産することで、ポストプレスの新しい領域を広げる。

“フィニッシング4.0”はアフターサービスの迅速化にもつながる。リモートアクセス機能により保守、リモート診断、運転データの収集を可能にし、ユーザーを訪問することなく、システムサポートをより早く、効率的に実施できるほか、予防保全にもつながる。