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キング印刷
PP加工の内製化で全自動PPラミネーター
短納期・小ロット対応強化で新市場へ

kawagisshimain

2016.8.8

伊東邦彦社長

伊東邦彦社長

福島市で商業印刷を手掛けるキング印刷株式会社は、経営方針の柱に“印刷”を据え、LED-UV印刷機3台と後加工機の充実化で小ロット・短納期の付加価値印刷を提供する。昨年は東京ラミネックスの全自動PPラミネーター「Z’D(ジード)」をはじめ、箔押し機や抜き加工機などを導入。短納期対応と外注加工費の削減を強化した。
1965年創業の同社は福島市内のチラシやパンフレット、報告書などの印刷物を中心に手掛けてきた。常に印刷業界の急速な技術変遷に対応し、最新の設備を取り入れてきた。その革新性は現在の伊東邦彦社長にも引き継がれている。大手印刷会社の営業を務めていた伊東社長は、1989年にキング印刷に帰ってくると、当時まだ登場したばかりのMacintoshを、1991年にイメージセッター「ライノトロニック530R」を導入し、いち早くDTPへの転換を推進した。さらに、1996年には、当時印刷業界でまだ前例の無かったデジタルの映像・音声編集事業を立ち上げ、デジタルコンテンツ制作に着手。ここから紙からデジタルへの移行を経営方針に定めた。しかし、2000年に入ると、デジタル技術の進展が目覚ましく、最新技術の先取りによるアドバンテージで利益を得ていた同社のビジネスモデルが手詰まりになり始めた。
伊東社長は「6,000万円かけたデジタル関連の設備も5年後には家電量販店のパソコンに入っていた。最新でなければ売れないデジタル技術を経営の柱にはできないと考える一方で、印刷も設備投資で効果を得るのは難しいだろうと思っていた」と当時を振り返る。
停滞感漂う同社に追い打ちをかけるように2011年3月11日、東日本大震災が発生。地震の被害だけでなく原発事故による風評被害も合わさり、同社も大打撃を受け、倒産寸前にまで追い込まれた。

フルオートラミネーターZ'D

フルオートラミネーターZ’D

この苦境を乗り越えるべく、デジタルへと移行しようとしていた経営方針を改め、“印刷”を柱に据えた経営方針に立ち返り、新たな市場開拓に乗り出した。
「自社の経営を立て直そうと、色々見直すと、第一に経営方針の考え方が雑であったこと、そして私が考えている以上に印刷関連の技術が成長していることに気が付いた。結果として、印刷需要は徐々に減少していくと言われているが、付加価値やソリューションを提供することで確保できる自社の立ち位置があるのではないかと思い至った」と“印刷”への原点回帰のきっかけを述べる。
手始めに震災復興関連の助成金などを活用し、ハイデルベルグ社のLED-UV搭載CX-102を東北で初導入したのを皮切りに、KOMORIの菊半5色機LITHRON S26(LED-UV搭載)とRMGTのA3判縦通しLED-UV封筒印刷システム3304HA-4+LED-UVを導入。2年間をかけて10台の油性印刷機をLED-UV印刷機に切り替えた。
その上で、「印刷自体は飽和状態にある。印刷物の付加価値をどのように高めるかを考えた時、奇をてらわずに、極当たり前のものを正しくお届けするためにポストプレスの充実が外せなかった」と後加工機の導入を検討し始めた。(続きは『Post Press Book』で)