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【drupa2016】インタビュー/ミヤコシ
インクジェット、液体トナー機を技術展示
品質と生産性の両立を目指す

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2016.8.9

ミヤコシはdrupa2016にデジタル印刷の分野から水性インクジェットプリンター「MJP20AX」、液体トナー電子写真方式枚葉デジタルプレス「MDP4000」を技術展示した。また、同社は各社と技術提携しており、その高い搬送技術を採用したデジタル印刷システムが出展されている。drupa2016の手応えと成果について、同社執行役員営業本部副本部長兼POD営業部長の天野剛氏に話を伺った。

 

2,400dpi×1,200dpiの

インクジェット機

 

ミヤコシ 天野 剛執行役員

ミヤコシ 天野 剛執行役員

今回は計3機種を出展しました。1台は間欠オフセットラベル印刷機ですが、インクジェット、液体トナー電子写真の2つの方式のデジタル印刷システムを技術展示し、これから先を見据えた形をご覧頂きました。

drupa2016では1,200dpiの解像度を持つインクジェット機が主流になったようです。前回のdrupa2012で発表した当社の1,200dpiの機種も1年半前ぐらいから市場に導入され始めています。

技術展示した「MJP20AX」は一歩進めた2,400dpi×1,200dpiの機種です。1,200dpiのヘッド2個の位相をずらして印刷幅方向を倍の2,400dpiにしています。ミヤコシのインクジェットプリンターは高速で可変データを出力する分野で抜群の力を発揮してきましたが、会場ではデータプリントに限らず、写真を掲載したダイレクトメールや出版物の小ロット、オンデマンド用途での活用を提案し、手応えを感じました。

「MJP20AX」は用紙にインクの受理層を敷くプライマーユニットを搭載し、CMYKの4色で印刷します。プライマーを敷くことによって、インクの滲みがない高い品質となり、用紙対応力を向上させました。

ドロップオンデマンド方式では通常、ランダムドロップやリフレッシュパターンといった、吐出不良を防止するための微細なドット印刷が必要となります。但し、印刷仕上がり内への、この微細なドット印刷を気にされるお客様もいます。ミヤコシでは来年3月を目処にこの微細なドットが生じないヘッドを開発し、「MJP20AX」に搭載して販売を開始する予定です。新しいヘッドではヘッドノズルの乾きを防止するパージの頻度も少なくなります。解像度を高めるとデータ量が増えるので、コントローラーの改良が必要となります。発売時には後加工を含めてトータルソリューションで提供したいと考えています。

ブースでは実際に80m/分のスピードで実演しました。出力サンプルもご希望の方には提供しました。非常にリアクションが良く、来年にはさらに品質を上げていきたいですね。

drupaの会場に出展されたインクジェットプリンターの全てを見てはいませんが、高品質化が進んでいると感じています。ミヤコシはロール式ですが、枚葉機の品質向上も目覚ましいものがあります。また、ラベルやパッケージのインクジェット化は避けて通れないと思います。興味があるのは段ボールです。軟包装分野も富士フイルム様のブースで「MJP20W」が参考出品されました。今後の実機投入に期待しています。

 

商業印刷、パッケージ印刷へ

液体トナータイプのB2枚葉機

 

MDP4000

MDP4000

MDP4000は液体トナー電子写真方式枚葉デジタルプレスです。両面印刷が可能で解像度は1,200×1,200dpiです。付帯設備を除いて全長5.3m×奥行2m×高さ2mのコンパクトな筐体を採用しました。さらに品質を上げる方向で開発しています。

出力速度は片面で4,000枚、両面で2,000枚。今回は両面でデモンストレーションをお見せしました。将来的にパッケージ印刷での活用を考えると、7色搭載で、紙厚0.6㎜前後まで高める必要があります。課題はありますが、様々なアプリケーションが印刷できるよう開発を進めていきます。

MDP4000ではクリックチャージやカウントチャージを排除したシンプルな運用料金体系にする予定です。トナーと消耗品だけのコスト構成なので、ランニングコストを抑えた運用が可能になります。

今後は品質の向上を図るとともに、ユーザーの方々がどの程度の速度を求められているのか、スピードのバランスを取りながらインクジェットとはまた違った品質を求めていきます。製品化については未定ですが、2018年度を目処に形にしていきたいと考えています。

 

アプリケーションの幅を広げ

少量多品種対応を進める

 

ここ数年、印刷業界では少量多品種化が進んでいます。これまでの600dpiを主体としたデータプリント向けのロール式のインクジェットプリンターは活用範囲が限られ、結果的に稼働率の低下や償却の長期化という課題が指摘されています。1,200dpiの機種が主流になり始めており、インクジェットプリンターの汎用性はこれから高まると思います。2,400×1,200dpiの解像度を持つMJP20AXは一層、活用範囲を広げるものと思われます。

また、MDP4000は、両面印刷でダイレクトメールやチラシ、ページ物に対応するほか、パッケージ用途を見据えています。B2判なので少量からある程度のボリュームまでをカバーできます。商業印刷に限らず、紙器・パッケージとアプリケーションが広がります。

ミヤコシでは今回技術展示した機種の完成度を高めて実戦でご活用頂ける製品に仕上げていきます。次回のIGAS2018の出展機種の決定はまだ先ですが、drupa2016で発表されたデジタル印刷の新しいステージが実現されることを期待しています。