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【drupa2016レポート】
デジタル印刷が広げる印刷の未来

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2016.8.9

世界最大の国際印刷・メディア機材展「drupa2016」が5月31日から6月10日まで、ドイツのメッセデュッセルドルフで開催された。54ヵ国1,837社が出展した会場には、11日間で18ヵ国から26万人(前回31万4,500人)が来場した。

デジタル印刷機と製本・後加工機が出展の中心となった今回のdrupa2016。「Touch the Future」のテーマが示す通り、IoTを取り入れた生産ラインの自動化を提案するPrint4.0を実現する次世代技術と、印刷ビジネスの変化に対応するデジタル印刷の進化が各社から提案された。

“インクジェットdrupa”と呼ばれたdrupa2008では、高速インクジェット印刷機が注目を集め、帳票や出版印刷の分野でデジタル印刷機が活躍する可能性が示された。加えて、富士フイルムと大日本スクリーン(現・SCREEN GP)がB2判対応の枚葉インクジェット機を参考出品し、端物、小ロット商業印刷に留まらない領域にまで活用範囲の広がりを示唆した。

drupa2012では、より実用化が進んだデジタル印刷機の汎用性の向上、包装印刷分野へのアプローチが目立ったほか、長尺やB2判に対応したデジタル印刷機が続々と登場した。印刷可能領域を拡大したことで、多頁を面付けできるメリットに加えて、ポケット付フォルダーやポスターなどの生産を可能にし始めた。

今回のdrupa2016は、こうしたデジタル印刷機の汎用性の拡充、ワイドフォーマット化に加え、他社のプリプレス、ポストプレスと連結した自動化ソリューション、高付加価値化による事業領域のさらなる拡大に注目が集まった。

 

B1対応デジタル印刷機が変える

印刷ビジネス

 

当初、drupa2016では本格的に各社が市場に展開するB2判対応のデジタル機の実力がどれくらいの域に達したかが問われると予測されていたが、技術革新のスピードはさらに速く、B1判対応のデジタル印刷機を各社が新たに打ち出してきた。

B1判デジタル印刷機は、drupa2012で話題をさらったLanda社がナノグラフィー搭載のB1判枚葉デジタル印刷機を出展することを発表し、国内でも小森コーポレーションがLanda社と共同開発したImpremia NS40を参考出品し、デモンストレーションを行った。また、ヒューレット・パッカードのロール方式の液体トナー機Indigo50000や、ハイデルベルグ社と富士フイルムが共同開発中のインクジェット枚葉機Primefire106、コニカミノルタのインクジェット枚葉印刷機KM-Cが出揃った。加えて、KBAがゼロックスのインクジェットヘッドを搭載した枚葉機VariJET106を技術展示した。

各社のサンプルの品質については、ニスコーティングなどで表面を覆っていたものの、品質面でもう一段の改良が必要との声が聞かれた。シンプルパスインクジェット方式はスクリーニング方法等の見直しなど今後の進歩が期待される。

デジタル印刷機のワイドフォーマット化の要因として、生産性の向上と印刷事業領域の拡大が挙げられる。一般的にデジタル印刷機の領域は、1枚から2,000枚までと言われ、対してオフセット印刷は100枚以上の領域をカバーする。つまり、現状では単純に印刷するだけならば、100枚以上になるとオフセットとデジタルの領域が重なる。そこで、デジタル印刷が可能にするバリアブル、付加価値印刷といった特徴に、2,000枚以上の印刷物へと領域を拡げようとするのが、今回のB1判デジタル印刷機の一つのコンセプトとなっていた。もう一つが本格的なパッケージ対応だ。B1判サイズで厚紙対応にすることで、パッケージ印刷の幅もさらに拡充する。1.2m厚までの用紙に対応したKM-Cは、ボードゲームの箱からケーキ箱、菓子箱などのサンプルを展示した。

オフセットの領域をカバーするとなると重要になるのが品質と速度だが、今回発表されたB1機のうちLandaのS10は7色で、解像度1,200dpi、片面13,000枚/時。KOMORIのNS40は4色+3色オプション、1,200dpi、片面6,500枚/時、ハイデル・富士フイルムのPrimefire106+Lが7色、1,200dpiの2,000枚/時、KBAのVariJET106は7色、1,440dpi、4,500枚/時。コニカミノルタのKM-Cは4色、1,200dpiで片面2,200枚/時というスペックだった。(続きは『デジタル印刷ビジネスブック2016夏』で)