印刷業界ニュース ニュープリネット

Ferture特集記事

【drupa2016】コダック
次世代技術・ULTRASTREAMを披露
商印・新聞印刷から軟包装パッケージの分野まで訴求

main

2016.8.9

 

高速・高生産性を示す

 

「PRINT FOR GOOD」をテーマにdrupa2016で2,500㎡の出展ブースを展開したコダックは、多くの実績を積み重ねてきたインクジェットテクノロジーのさらなる進化を示した。

ULTRASTREAM

ULTRASTREAM

ブース最大の見どころとなったのはフルカラー両面対応のインクジェット印刷機「Prosper 6000C」と後加工機を連携したデモンストレーションだった。STREAMインクジェットテクノロジーを搭載したProsper6000Cは、24.5インチのラインヘッドを搭載し、300m/時の高生産性を誇る。印刷の途中に乾燥工程を挿入するユニークな構造で、大量にインキを使用するジョブもしっかり画像を定着させて両面印刷を可能にする。

会場では前後工程との連結も注目を集めた。給紙部にはMegtech社の自動紙繋ぎ機「Auto Splicer」を搭載。稼働中に自動でロール紙を繋ぎ替えることで生産性を10%以上向上する。

後加工機は、1日ごとの交代でmanroland web systems社のFoldlineと、i-WEB社のニスコーター「Post Coater」+VITS社のマルチカットバリアブルサーボシーターを入れ替えたデモンストレーションを実施。Foldlineとの連結では薄紙コート紙の中綴じカタログ印刷を制作し、複数の言語に対応した本カタログ32頁に、クーポンなどのカスタムインフォーメーションをバリアブル印字した印刷物と混在させた冊子制作を披露した。

i-WEB社のニスコーター「Post Coater」+VITS社のマルチカットバリアブルサーボシーターの実演では、グロス紙のシートカット印刷まで行い、高品質・高生産性を維持するProsper C6000の性能の高さを強調した。

インクジェットヘッドの提供も行っているコダックは、drupa2016で、イタリア・フレキソ印刷機ベンダーのウテコ社とコラボレーションし、ウテコ社の搬送機にProsper Sシリーズのインクジェットヘッドを搭載したモデル「XGV」を出展し、水性顔料インクによるPETなどの軟包装材への印刷にチャレンジした。

通常、軟包装材に水性インキを塗布すると弾いてしまうが、今回のデモンストレーションでは、コダックが有する化学技術を応用したトリートメント剤を素材にコーティングすることで、水性インキの定着を実現。CMYKに加えてオレンジ、グリーン、バイオレットで補色することでパントンカラーの約98%をカバー、スポットニス用のヘッドを追加し、部分的なプロテクトも可能にした。実演では125m/分の速度で印刷し、生産性と品質の高さをアピールした。

こうしたコダックが誇るProsperのインクジェットヘッドは、様々な分野への横展開が進んでおり、最大1m24㎝幅の印刷を可能にする49インチのラインヘッドによるワイドフォーマット市場向けのサンプルもブース内に設けられた「THIS IS INKJET! LOFT」に展示。同コーナーは、Kodak STREAMテクノロジーを活用して飾りつけられた部屋を演出し、活用範囲の高さを示した。

 

進化するインクジェットヘッド技術

 

同社のインクジェットヘッドをさらに進化させた「ULTRASTREAMインクジェットテクノロジー」は、目玉の一つとなった。VersamarkとProsperで培ってきたインクドロップ生成技術や電化によるインク回収技術をミックスしたもの。Prosperはコンテニュアス方式という技術により、大小のインクドロップを生成して、小さいインク粒を風圧で飛ばし、残ったインクを着弾させていた。ULTRASTREAMは、その反対にこれまで飛ばしていた微細なインクドロップをいかに着弾させるかに着目して開発された。この新技術により、Prosperのヘッドは1つのドロップサイズが12plであるのに対し、その3分の1のサイズを目指す。

デモンストレーションでは約3.75plという非常に小さな液滴で印刷。カラーの粒状感を各段に向上し、1,200dpi相当(600dpi×1,800dpi)にまで高めた。同社は商業印刷やパッケージ印刷の市場をターゲットに据える。

 

トナー機の次世代技術も披露

 

コダックはインクジェットシステムだけでなく、電子写真方式の分野でも新たなソリューションを訴求した。

NexPress ZX3900

NexPress ZX3900

今回出展したNexPress SXシリーズのバージョンアップ機「NexPress ZX3900」は、600μまでの厚紙に対応幅を拡げ、5胴目のユニットに新開発のホワイトドライインクを加えた。ホワイトインクが追加されたことで、ラベル・紙器・タグなど、より幅広いパッケージ向けアプリケーションへの活用が期待される。特徴としてオペレーターの簡単操作で品質をコントロールでき、5胴目の13種類の特色も15分程度で入れ替えが出来る点が挙げられる。生産機として充実した用紙スタッカーも備える。

さらに新製品だけでなく、drupaらしく次世代技術として、来年リリースを予定しているNext Generation NexPress「Maxプラットフォーム」(仮)の技術も紹介された。

Next Generation NexPressは、従来タイプの解像度が600dpi・8bitだったのに対し、高解像度マルチビットLEDライティングシステムにより、1,200dpiの解像度で10bitの情報量を持つ。従来の4分の1のドットサイズで、1bit当たりの情報量を向上させている。最大のクオリティを維持するために8bitを使用し、残り2bitで安定したキャリブレーションを確保する。また、デジタル印刷機でありながら刷り順の変更や複数の5色目を使用可能にした。

例えばCMYK+特色の順番を特色+CMYKに変更できる。CMY+特色+特色も可能。出力速度もA4で70ppmから152ppmまでオペレーションで変更、調整できる。ロットや求められる品質に応じてコントロールできるようになる。トナーに関しては従来のものをそのまま使用できるようにする。

用紙は254㎜×200㎜から最長1,219㎜×356㎜、斤量59から530gsm、最大厚610μまで印字できる。