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【製本・加工】トキワメディアサービス
剥がれスクラム、剝れ中綴じ、剝れアジロ無線
デジタル印刷機8台体制で極小部数を強化

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2020.5.21

モノクロ・2色の頁物印刷に特化する株式会社トキワメディアサービスは、埼玉県朝霞事業所に富士ゼロックスのB9316 Light Publisherを3台増設、デジタル印刷機を8台体制として極小ロットの教材や冊子の生産体制を強化した。同社が得意とする特殊製本「剝れ製本・脱着製本」の小ロット対応が強化されたことから市場の広がりが期待されている。

同社は「品質保証」「納期保障」を掲げ、モノクロ・2色印刷と製本・配送サービスまでの一貫サービスを展開する。教育教材・資格取得テキスト・試験問題集、企業の販促マニュアル、各種製品の取扱説明書、書籍の印刷・製本を得意としている。

小ロット対応の強化について江月社長は「品質保証、納期保証の質を高めるために品質・工程管理のAI化とデジタル化を進めている。MIS(経営管理システム)はプリントサピエンスを導入し工務をデジタル管理を実現した。今回のデジタル印刷の8台体制も、デジタル化の一環として取り組んだ。富士ゼロックスのB9316 Light Publisher3台の増設は極小ロットの市場に対応するとともに、CTPから4台の菊全判2色両面機オフセット印刷という全判印刷のメリットをお客様に提供することが出来る。デジタル印刷の極小ロット対応は市場開拓を進め、朝霞事業所における印刷・製本の一貫体制が強固になった」と述べる。

 

極小ロットをデジタル印刷で強化

 

朝霞事業所のデジタル印刷部門の第1ルーム

朝霞事業所のデジタル印刷部門の第1ルーム

朝霞事業所では富士ゼロックスのB9136 Light Publisher5台、D125 Light Publisherを2台、Versant 180 Pressで計8台のデジタル印刷機、KOMORI菊全2色兼両面機4台、東京出版機械の無線綴じ機(20鞍)、尾﨏製作所の中綴機(5鞍)、正栄機械製作所、ホリゾン折機、永井機械製作所の断裁機を備える。

平成21年に実用新案を登録し、平成24年に東京都の経営革新計画の承認を受けた剝れスクラム製本は、剝れ中綴じ・剝れアジロ無線製本が実用新案の承認を得ており、特殊製本の「剝れ三兄弟」は同社の大きな特徴となっている。

「剥がれ製本」は複数の冊子を連ねて一冊の状態に製本し、使用する時は一冊ずつ簡単に剥がして使える製本方式。剥がれないことが大切だった今までの製本とは全く逆の発想から独自の技術を駆使して開発された。大手予備校では、必要な章や単元ごとに冊子を剥がして使用する教材や試験問題、音楽本は楽器パートごとに剥がして使われており、多数の導入例がある。教材や冊子を扱う印刷・製本会社からの受注も多いことから、同社では技術供与を行い、剝れ製本を広げている。

朝霞事業所の製本部門

朝霞事業所の製本部門

剝れスクラム製本のきっかけについて、発案者の佐藤あつこ営業部長は「お得意先の大手学習社から用紙を一枚ずつ帯留めしていた模擬試験シリーズを一回帯をはずすとバラバラになることを改善したい、コストが高いので、解消できる方策はないかという相談がありました。従来の学習教材ドリルは問題用紙を一枚ずつ剥がして使用する方式でしたが、この方式の場合、前後の関連性を保つことが出来ず、系統だった学習が出来ないという問題点がありました。また出題者も1頁に納めなくてはならないという編集上の制約があったために本来の意図通りの解説や問題作りが出来ないという点が課題になっていました。そこで一つの分野やテーマごとに8頁、16ページ単位にまとめることにより、前後の関連性を保ちつつ、復習をしながら学習を進めることが出来る製本方式が生まれました」と剝れスクラム製本のきっかけを述べている。

極小ロットに対応するデジタル印刷システムを強化し、剝れ製本を極小ロットも可能となった。同社の江月知美取締役は「お客様の困りごとを解決するのがトキワメディアサービスです。極小ロットの冊子が増える傾向にあり、この分野における品質保証、納期保証を確立し、オフセット印刷による高品質のモノクロ、2色印刷、デジタル印刷の極小ロットの市場に市場を広げていきたい」と今後の取り組みを述べている。