印刷業界ニュース ニュープリネット

Ferture特集記事

【総論】印刷通販は今 シーズ
印刷通販の仕組みをいかに利用するか
Webを使った受発注の時代が始まっている

main

2020.5.23

Webシステムの開発やサーバーの構築・運用・保守を行っている株式会社シーズでは、自社ノウハウを活かした印刷通販システム「印刷通販パッケージ」を印刷受託企業へ提供している。これからの時代、印刷通販サイトの仕組みは必需品であり、今後も印刷通販市場にユーザーが集まることが予想できるという。同社印刷業界向けWebソリューション事業部部長の大八木正良氏に印刷通販サイト市場に関する動きを伺った。

 

印刷会社にとっての印刷通販

 

印刷業界全体の市場は2017年で5.2兆円とされ、ピーク時だった9兆円に迫る時代と比較すると大きく縮小していることがわかる。加えてペーパーレス化、多メディア化、人口減少など様々な社会的要因を背景に、縮小傾向は今後も続くと予測されている。しかしその一方で、「印刷通販」の市場は、毎年100億円の成長率で推移し、1,100億円との推計がされている。

印刷通販サービスが登場したことは、印刷価格や印刷受発注の仕組みを大きく変えてきたといえる。これまで不透明だった印刷価格をオープン化し、印刷営業のあり方にも変化を及ぼした。

中でも、チラシなど汎用的な印刷物に関する価格が下がり、より安い価格を目指して発注が流れるという現象もあった。しかし、そうした価格競争も一巡し、新しい局面を迎えているのではないかと大八木氏は見ている。

現在、「印刷通販」と検索しただけでも、多くの印刷通販サイトを見つけることができる。加えて、大手数社による寡占化も進み、広告宣伝の効果もあって認知度が高まり、仕組みも一定の水準に達している。

こうしたことを背景に、印刷会社が営業ツールとして印刷通販サイトを利用することが当たり前の時代になりつつある。印刷通販サイトは、印刷営業にとって、安価に、スピーディーに印刷物を必要とする市場に適したサービスといえる。しかし、これから新たに通販サイトを構築するのは難しい。また印刷物の受注でいかに儲けるのかという立場に立てば、既存の印刷通販サイトを上手に活用することは、顧客ニーズに応じたサービスの提供が可能になる。

一方で、これまでの印刷通販サイトも、今後は各サイトの「付加価値」が問われる時代が到来すると、大八木氏は語る。価格も落ち着き、これからは価格以外での競争が必要になるからだ。そのため、汎用印刷以外の価値をいかに提供するかが求められており、自社の強み、独自の商品やサービスの提供を展開し、SNSやブログなどでのアピールまで行うことが必要になってくる。

しかし、Webサイトを窓口としたビジネスの可能性は無限大でもあると指摘する。品揃えや対応サービスだけでなく、時間や距離も関係のないビジネスが可能となる。柔軟な思考と工夫により、各社独自の展開が始まることも期待できる。

 

クローズド型と公開型

 

印刷通販サービスには、クローズド型と公開型の2つのスタイルがある。クローズド型とは、既存顧客の囲い込みツールとして、印刷通販サイトのような仕組みを活用するもので、顧客企業ごとに料金やレイアウト、校正までの仕組みなどを設定する。公開型は、公開型のWebサイトを開設し、既存顧客だけでなく広く印刷を発注できるようにしている方法で、既存の印刷通販サイトがこれに当る。

特に顧客囲い込みのためにクローズド型の印刷通販サイトの仕組みが注目されている。Webから受発注することは当たり前の時代、Web編集機能、データ入稿やWeb校正の自動化も可能だ。この仕組みを活用することで、顧客企業にとって繁雑な印刷発注や入稿作業が簡単になり、印刷会社においても作業負荷が軽減する。

最近では、法人に特化したWeb to Printの機能を求める企業も増加している。シーズのユーザーでも、受発注システム(承認フロー)、名刺管理システム(テンプレート)、名前リスト管理などから導入するという傾向が強い。

また、公開型のWebサイトを開設した場合においても、大手通販サイトと競争するのではなく、地域性を活かした展開が注目できるとしている。印刷通販サイトを選択する場合、価格が全てではないということが解っているからである。

むしろ「地域の通販サイト」「隣の会社がやっている通販サイト」を選択してくれる可能性は高い。地方の企業や急ぎの仕事などは、問題があればすぐに対応してくれそうな地元発注への意欲は高い。印刷物の“地産地消”という強みを生かし、デザインツールの充実、後加工への対応などのサービスを充実させたり、その企業の地元への貢献、企業のストーリーなど特色を見せることで、選ばれる印刷通販サイトを構築することも可能であるという。

シーズでは、Web活用戦略に活用できる「印刷通販パッケージ」を提案している。Web受注に必要な要素がパッケージ化されているため、サーバーからシステムまで一式が安価で導入でき、大手印刷会社による運用コンサルタントもサポートとして付加されている。その印刷会社とは、API連携により商品のラインナップも拡充できるため、自社で製造していないメニューもネット価格で対応できるようになる。Web編集ができ、物販やスマホにも対応。「印刷通販パッケージを通して、印刷通販サイトビジネスの活性化をはかりたい」としている。

「Webの強みを活かした新しい印刷ビジネスへの取り組みは、様々なスタイルで可能だと思います。市場を獲得し、印刷ビジネスを広げることが肝心です。その支援をしていきたいと思っています」と、大八木氏は語っている。

 

株式会社シーズ

印刷業界向けWebソリューション

https://www.seeds-std.co.jp/service/print.html