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【ビジネス】Straub Druck + Medien社(ドイツ)
Jet Press 720Sを増設、Web to Printサービス急伸
高品質と生産効率でデジタル印刷の受注拡大

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2016.8.9

独・Straub Druck + Medien社のFrancisco Martinez氏(右)とFFGSの吉田整会長。Jet Press 720Sの前で

独・Straub Druck + Medien社のFrancisco Martinez氏(右)とFFGSの吉田整会長。Jet Press 720Sの前で

ドイツ南西部・バーデン=ヴュルテンベルク州シュランベルクの印刷会社Straub Druck + Medien AG(以下、Straub Druck + Medien社)は、生産工程の完全なデジタル化を目指して、2014年末に「Jet Press 720S」を導入し、新たなビジネスチャンスの創出に成功した。その結果として2台目の導入を決定し、デジタル印刷ビジネスの更なる拡大を狙う。

革新的なビジネスを展開する同社に対し、FUJIFILM Europe GmbH(以下、FEG)では、欧州の顧客を対象に新設した『Jet Press プリントイノベーション賞』を贈っている。同社CEOのFrancisco Martinez氏に、導入経緯や活用戦略などについて伺った。

 

高級品メーカーなどから

高品質・小ロットの新規受注を獲得

 

Straub Druck + Medien社は、ドイツ・シュヴァルツヴァルト地方の工業都市であるシュランベルクで、130年以上の歴史を持つ商業印刷会社。90名以上の従業員を擁し、用途に応じた多様な加工・仕上げのオプションを提供できる体制を整えて、年次報告書、パンフレット、地元・国内外の郵便物、さらには「こすると香りが広がるカレンダー」などまで制作。小部数・大部数を問わず、高品質な印刷物を提供している。

同社が1台目の「Jet Press 720S」を導入したのは、2014年末だが、今年、早くも2台目を追加導入することになった。短期間で2台の「Jet Press 720S」の導入を決めた経緯について、Martinez氏は、次のように述べている。

「1台目の導入以降、デジタル印刷の受注が予想以上に伸びたのです。現在では当社のジョブ全体の約65%に達しており、この比率は2018年までに80%に達すると見込んでいます。そこで、デジタル印刷サービスの継続的な成長を図るため、印刷機としての性能も品質も非常に優れている『Jet Press 720S』の追加導入を決定したわけです」。

1台目の導入でデジタル印刷の大幅な受注拡大という期待以上の成果を得たことについて、これは、「Jet Press 720S」がもたらす高い付加価値によるものだとMartinez氏は評価している。「1ページあたりの価格に換算して、これまでよりも大きな価値をお客さまに提供できるようになりました。常に一貫して高い印刷品質が得られるのも、Jet Pressならではのメリットですね。また、当社では雑誌やカレンダーの印刷が多いため、丁合印刷などの多彩な機能がとても役立っています」と語る。

「Jet Press 720S」の卓越した印刷品質が強みとなり、Straub Druck + Medien社は、高級腕時計メーカー向けのカスタム雑誌の制作など、さまざまな分野で新規ビジネスの創出に成功している。

このようなジョブにおいては、細部にまでハイレベルな再現が求められるが、そのニーズに応えることのできる「Jet Press 720S」は、同社にとって「お客さまと製品をつなげる理想的なプラットフォーム」になっていると、Martinez氏は言う。「導入効果には非常に満足しています。1台目の稼働を始めた初年度、『Jet Press 720S』だけで約100万ユーロの売上を計上しました。この売上高の大部分は、同機を導入しなければ受注できなかった新規ジョブによるものです。また、既存のクライアントでも、インクジェット印刷の利点を活用しようと、オフセット印刷から移行するお客さまが増えています」と述べている。

Jet Press 720Sがもたらした効果について「いま、『Jet Press 720S』は85%以上の稼働率を保っており、極めて生産効率が高いため、増え続ける需要にしっかりと応えることができています。それだけではありません。優れた機動力のおかげでWeb to Printサービスも提供できるようになり、極小ロットのジョブでも採算を維持しています。このサービスは急速に成長しており、来年には、数量ベースで80~90%増加すると見込んでいますが、2台目の『Jet Press 720S』を導入することで、この需要増加にも確実に対応できるでしょう」と展望する。

また、Martinez氏は、富士フイルムのサポート対応についても高く評価しており、「1台目を導入してから、トラブルはほとんど発生していませんが、そのわずかなトラブルの際には、富士フイルムは懇切丁寧に対応してくれました。技術的なサポートが必要になった場合でも、当日中、遅くとも翌日には必要なサポートを受けることができるので助かります」。こうした運用上の安心感も、2台目を導入する決め手の1つになったという。

 

『Jet Pressプリントイノベーション賞』受賞

 

今回、同社の『Jet Press』を活用した革新的なビジネスモデルに対し、FEGが新設した『Jet Pressプリントイノベーション賞』が贈られ、drupaの富士フイルムブースで授賞式を開催した。

同賞は、Jet Pressのプラットフォームを用いて創造的・革新的なビジネスを展開している企業を広く紹介し、ユーザーのJet Press活用を支援することを目的としたもの。受賞理由についてFEGのデジタルプレスソリューション責任者の青木は、次のように述べている。

「ヨーロッパ全域で急成長を遂げている印刷会社のグループをリードするStraub Druck + Medien社は、B2インクジェット印刷機、とくに『Jet Press 720S』ならではのメリットに着目し、ビジネス拡大へとつなげています。『Jet Pressプリントイノベーション賞』を通じてこの成功事例を紹介し、各国のお客さまが具体的なメリットを目にすることで、ビジネス拡大のヒントを得られる機会となるでしょう。また、『Jet Press 720S』の導入がワールドワイドで進んでいる事実は、同機が印刷市場において“実際の生産工程で即戦力として使えるプラットフォーム”であると実証されていることを示しております。そして、その印刷品質が、商業・パッケージ印刷における新たなデファクトスタンダードとなることを意味しています」

なお富士フイルムは、「Jet Press 720S」の卓越した品質や生産性を、ドイツで5月31日から6月10日まで開催された「drupa 2016」の、ホール8b・A25ブースで、実演を交えて紹介した。今後も富士フイルム独自のインクジェット技術をコアに、革新的なソリューションを提供していく。

 

[Jet Press 720S]

 

「Jet Press 720S」は富士フイルムのインクジェットテクノロジーが凝縮した新世代デジタルインクジェットプレス。インクの高速凝集によって様々な一般印刷用紙を使用することができ、紙の風合いを活かした出力品質を実現。最大サイズは750×532㎜(B2判)。

さらなるコンパクト化を図りながら、ヘッドは先進の「SAMBA T echnology」により、世界最高レベルの高密度・高精度を追求。定評ある高速顔料凝集(Rapic)技術との相乗効果で、文字も写真も、オフセット同等以上の圧倒的な印刷品質を実現した。

搬送方向にワンスキャンで印字するシングルパス方式により「2,700枚/時(180枚/分=A4換算)」という高い生産性を発揮。プレート交換作業がなく、色調整・見当合わせなどもほとんど要らないため、小ロット・多品種対応の生産効率は非常に高い。

従来機に比べ処理スピードが1.3~1.4倍アップ。確実に印刷準備時間が短縮でき、小ロット・多品種・短納期の仕事も、優れた瞬発力で次々と迅速にこなす。

また、用紙の先刷り面に付加したバーコードを、フィーダー部のバーコードリーダーで読み取り、後刷り面の画像をリアルタイムで準備していく、効率的かつ高精度な両面バリアブル印刷が可能。「One to Oneの提案力」を最大限に活かす。